14.06.23(Mon)

ラグジュアリーなパリの歴史的建築で味わうモダンなパティスリー

tend Editorial Team

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ローラン・ボナパルト王子の私邸だったという由緒ある建物のゴージャスな内装とエントランス。

ローラン・ボナパルト王子の私邸だったという由緒ある建物のゴージャスな内装とエントランス。

世界的ホテルチェーンのシャングリラ・ホテルが初めてフランス・パリにオープンしたのは2011年。かつてナポレオン・ボナパルトの甥ピエールの息子ローラン・ボナパルト王子の私邸だった建物を使ったホテルで、宮殿のような豪華かつしっとりと落ち着いた雰囲気です。またトロカデロ広場もすぐそばで、ホテルのいくつかの部屋からは、エッフェル塔とセーヌ河を手が届きそうなくらい間近に見渡せるという、パリにおいても滅多にないとても贅沢な場所ではないでしょうか。 そのホテルに入っている「ラベイユ」は、パリで最も3つ星に近いといわれる、クオリティの高い2つ星レストラン。シェフ・パティシエを務めるフランソワ・ペレさんは、2002年から2008年までジョルジュ・サンクのパティスリーでスーシェフにまで登り詰め、その後ランカスター・ホテルのシェフ・パティシエになっています。ラグジュアリーなホテルのデザートとパティスリーの創作を極め、このシャングリラ・ホテルという舞台でその才能を発揮しているのです。
ミルフィーユ

ミルフィーユ、イル・フロッタント、クレーム・キャラメルからインスピレーションを得て作ったという『ミルフィーユ』

そしてそのペレのパティスリーを、セカンドレストラン「ラ・ボヒニア」のティータイム(サロン・ド・テ)で味わえるのですから、これほど嬉しいことはありません。 スペシャリテは『ミルフィーユ』で、そのゴージャスさに魅了されます。それもそのはず、ペレが大好きな3つのクラシック菓子、ミルフィーユ/イル・フロッタント/クレーム・キャラメルを合体させるアイディアから創作したものだそう。まず、パイ生地は砂糖をまぶして薄く伸ばし、それをパニーニ生地に包んで、波形の型に挟んで焼き上げたもの。これがとてもカリカリとした食感でたまりません。下の層には、イル・フロッタントからインスピレーションを得た淡雪卵で、中にとろけるカスタードソースが入っています。上の層は、キャラメルクリーム。そして、バニラビーンズたっぷりのクリームが上下にしのばせています。 ミルフィーユなのに、実はミルフィーユ以外の要素も盛り込んでいるという個性あるデザート。こんな遊び心のある工夫がペレの仕事には忍ばせてあるのです。
チョコレートとフランボワーズのタルト

『チョコレートとフランボワーズのタルト』。酸味の効いた濃い生クリームのコーティング。

そして一番人気は『チョコレートとフランボワーズのタルト』。チョコレートのムースにフレッシュなコンポートを薄く層にして閉じ込めています。薄い赤い膜のコーティングにはクレーム・エペス(濃い生クリーム)を使用しており、ちょっとした酸味も加わって、チョコレートタルトにエレガンスが備わった印象でした。 こうしたコーティングをする場合ホワイトチョコレートのガナッシュを使うのが近年は主流ですが、どうしても味わいが重くなってしまう。それで色々と研究した結果、クレーム・エペスにしたのだそう。流行のレシピに追随することなくオリジナリティを探求し、クオリティを確固たるものにしているのです。