
札幌観光の象徴として、あまりにも有名な「札幌市時計台」。
しかし、その輝かしい知名度とは裏腹に、いつしか「日本三大がっかり名所」という、不名誉な称号でも呼ばれるようになってしまいました。
「行ってみたけど、想像より小さかった」「ビルに埋もれていて風情がない」。そんな声を聞くと、訪れるのをためらってしまう人も多いのではないでしょうか。
果たして、時計台は本当に“がっかり”するだけの場所なのでしょうか?
その真相を探るべく、実際に訪れた人々のリアルな口コミを徹底的に調査。
すると、“がっかり”で終わる人と“感動”して帰る人を分ける「たった一つの行動」と、多くの人が見過ごしている“内部”の驚くべき秘密が見えてきました。
なぜ「がっかり」と言われるのか?その“残念”な理由
まず、なぜ「がっかり」と言われてしまうのか。その理由は、多くの人が抱くイメージと、現実の光景とのギャップにありました。
「とにかく想像の100倍小さくてびっくり笑。自分はガッカリするどころか地図を見て向かっていても通り過ぎてしまったほど。」
「実物を目の前にした瞬間、あの有名な時計台だという感動と共に周囲のあっさりした雰囲気とのギャップに驚いた。」
広大な大地に佇む姿を想像していくと、近代的なビル群の中にこぢんまりと建っている姿に、拍子抜けしてしまうようです。多くの人が、この外観だけを見て写真を撮り、「まあ、こんなものか」と立ち去ってしまう。これが、「がっかり名所」という評価が生まれる最大の原因だったのです。
評価を覆す“たった一つの行動”。それは「350円払って、中に入ること」
しかし、口コミを読み解くと、「がっかりしなかった」「思っていたより面白かった」という声も数多く存在します。そんな人々が、ほぼ例外なく実践していた“たった一つの行動”。それは、入場料350円を払い、建物の中に足を踏み入れることでした。
「『ガッカリ』することも覚悟して行ったためか、思っていたより面白かったです。」
「札幌のド定番スポットです。がっかりポイントといわれることもありますが、意外と行ってみると見どころが多くて楽しめます。」
そう、時計台の真価は、外から眺めるだけでは決してわかりません。その魅力は、歴史の詰まった“内部”にこそ隠されていたのです。
中には何がある?“生きた歴史”と出会える、意外な見どころ
では、建物の中には一体何があるのでしょうか?口コミが教えてくれた、意外な見どころをご紹介します。
①札幌開拓の歴史を学ぶ、小さな博物館
「中には時計台、札幌農学校に関する展示がされていて、(中略)私は札幌の歴史にあまり詳しくなかったので、へぇと思いました。」
時計台の正式名称は「旧札幌農学校演武場」。北海道大学の前身である札幌農学校の施設として、かの有名なクラーク博士の構想のもと建設されました。館内には、札幌の開拓の歴史や、時計台が歩んできた道のりが分かりやすく展示されており、知的好奇心を満たしてくれます。
②140年以上動き続ける“現役”の時計機械
「建設当時の機械が未だに動いているのに驚きました。」
「140年間現役で動く時計台は国内でここだけだそうです。」
2階のホールでは、時計台で実際に使われているものと同じハワード社の時計機械を見ることができます。1881年から保守・修理を重ねながら、今もなお重りの力だけで動き続けている“生きた歴史”の姿は、まさに圧巻の一言です。
③親切なボランティアガイドと、夜のライトアップ
「ボランティアガイドの方が詳しい説明をしてくださった。おかげで、色々と学ぶことができた」
「夜のライトアップされた姿は綺麗。」
館内では、ボランティアガイドの方が時計の仕組みや歴史を丁寧に解説してくれます。また、日没後にはライトアップされ、昼間とは違う幻想的な姿を見せてくれるため、夜に訪れるのもおすすめです。
まとめ:「見る」から「知る」へ。がっかりしないための、新しい楽しみ方
札幌市時計台。それは、外からただ「見る」だけでは、その本当の価値はわかりません。
350円を投資して中に入り、その歴史を「知る」ことで、初めて「がっかり名所」というレッテルが、いかに表層的であったかに気づかされるのです。
「時計台にガッカリするこえもよく聞きますが、大都会に変貌を遂げた札幌にしっかりと存在感を維持しています」。
ある訪問者のこの言葉通り、ビルの谷間で140年以上もの時を刻み続けるその姿は、むしろ感動的ですらあります。次に札幌を訪れる際は、ぜひ勇気を出して、その扉を開けてみてはいかがでしょうか。