仲間外れにされてるような感覚
結婚生活は順風満帆。
夫との毎日は穏やかで、私は心からの幸せを噛み締めていました。
しかし、そんな幸福感も実家の敷居をまたいだ瞬間に消え失せるのです。
そこに漂うのは、どこか張り詰めた冷たい空気。
「ただいま!お母さん、これお土産」
努めて明るく声をかけても、返ってくるのは生返事だけ。
キッチンに立つ母と、ソファでスマホをいじる妹。
二人の視線が、私とだけは決して交わらない不思議。
「……あ、そう。そこに置いといて」
まるで透明人間のような扱い。
リビングに座っていても、母と妹は二人だけでボソボソと話し、時折こちらを横目で見ては「クスクス」と含み笑いを漏らす始末。
その光景に既視感。
そう、あれは学生時代に目撃した「女子グループのいじめ」そのもの。
特定のターゲットだけを会話から外し、居心地の悪さを楽しむ独特の陰湿な空気感。
(まさか、家族相手にそんなこと……)
気のせいだと自分に言い聞かせようとしたものの、ある日、決定的瞬間が訪れます。 夫との旅行の話を振ったときのこと。
私「こないだの温泉、すごく良くって……」
妹「あー、お母さん。あのドラマの録画観た?」
母「観た観た。あの俳優、いいわよねえ」
私の言葉を遮るように被せられる会話。
明らかに意図的な無視。 限界でした。私は意を決し、二人きりになったタイミングで母に詰め寄ります。
母の一言
私「ねえお母さん。私、何かした?さっきから無視したり、態度おかしすぎるよ」
洗い物をしていた母の手が止まり、ゆっくりとこちらを振り返る。
そこに浮かんでいたのは、慣れ親しんだ母親の表情ではありません。
娘を見る目ではなく、一人の「女」として私を値踏みするような、ドロリとした暗い瞳。
そして、母は口の端を歪めてこう言い放ったのです。
「……幸せそうなあんたが、羨ましいからよ」
あまりに身勝手な本音。
娘の幸せを願うどころか、妬んでいたという衝撃の事実。
一瞬、血の気が引く感覚に襲われたものの――次の瞬間、私の心に湧き上がったのは恐怖ではなく、強烈な「呆れ」でした。
(いい歳をして、自分の娘に嫉妬? なんて惨めな人なんだろう)
スッと、私の中で何かが冷めていく音。
私は母の目を見据え、これまでで一番の笑顔でこう返しました。
「そっか!残念だけど、私これからもどんどん幸せになる予定だから。お母さんたちの機嫌取りにつきあってる暇、ないみたい」
母「は、はあ!?」
言葉を失い、パクパクと口を開閉する母。
私はその顔を一瞥すると、荷物をまとめて玄関へ。
「じゃあね、元気で!二人で仲良く『不幸ごっこ』でもしてれば?」
扉を閉めた瞬間、背後で何かが叫ぶ声が聞こえた気がしましたが、振り返りません。
外の空気は驚くほど澄んでいて、清々しい気分。
「さ、家に帰って美味しいご飯を作ろう」
私を大切にしてくれる、愛する夫の待つ家へ。
嫉妬に狂う「女」ではなく、心から安らげる場所を選んだ私の足取りは、羽が生えたように軽やかでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














