「それ、誰から聞いたんですか?」引っ越しを知っていた職場の人。情報源を尋ねても答えてくれなかった
偶然だと思っていた、最初の違和感
以前の職場に、少し親しくしていた人がいました。
よく話しかけてくれる人で、当時の私は特に警戒することもなく、普通に接していました。
最初に引っかかったのは、職場とは関係のない店へ行ったあとのことです。
「この前、あの店にいたよね」
そう言われたのは、一度だけではありませんでした。
二度目に同じようなことを言われたときは少し驚きましたが、同じ町で生活しているのだから、どこかで見かけることもあるだろうと思いました。
ところが、そのあとから別のことも気になり始めました。
仕事を終え、棚の鍵を机の引き出しに戻して帰ろうとするころになると、携帯に連絡が届くのです。
「今日、少しだけでも会わない?」
残業をした日は、いつもより遅い時間に届きました。早く上がった日は、連絡も早めでした。
もちろん、たまたまかもしれません。それでも何度か重なるうちに、私は携帯が鳴るたびに時間を意識するようになりました。
「今週はちょっと忙しくて」
そう断ると、すぐに別の日を聞かれます。
「そっか。じゃあ来週は?」
返信を遅らせても、やり取りが途切れることはありませんでした。それでも私は、「まめな人なんだ」と考えるようにしていました。
「誰から聞いたんですか」と尋ねた
そんな中、私は引っ越しを決めました。
そのことを職場で話したのは三人だけでした。日取りや引っ越し先の町まで詳しく話したわけではありません。
ところが、その人から突然言われたのです。
「今度、引っ越すんだよね」
思わず相手の顔を見ました。
店で見かけられたことも、帰るころに届く連絡も、それまでは偶然だと思おうとしていました。でも、このときだけは聞かずにいられませんでした。
「……それ、誰から聞いたんですか?」
相手は少し笑って、
「まあ、いろいろとね」
とだけ答えました。
「いろいろって……誰ですか?」
もう一度聞いても、返ってきたのは、
「そんなに気にすること?」
という言葉でした。
結局、誰から聞いたのかは分かりませんでした。
それから、予定を話さなくなった
その日から私は、自分の予定をできるだけ口にしないようになりました。
休みの予定を聞かれても日付までは言わない。行った店の話もしない。帰る時間についても、職場ではなるべく話さないようにしました。
実際に何かをされたわけではありません。相手がどうやって私のことを知ったのかも、最後まで分かりませんでした。
その後、私は予定どおり引っ越し、やがてその職場も離れました。連絡は次第に来なくなり、それ以来、その人とは一度も会っていません。
仕事では助けてもらったこともありますし、相手にどんな意図があったのかは今でも分かりません。
ただ、あのとき「誰から聞いたんですか」と尋ねたのに、答えてもらえなかったことだけは今も覚えています。
知られていたこと以上に、聞いても分からないままだったことが、ずっと心に残っているのかもしれません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














