「あれ、こんなはずじゃ」乾電池代が足りず家へ戻った私。だが、玄関で財布を開いて気づいた失敗
小銭ならあるはずだった
60代の私は、寝る前に居間でテレビを見るのが毎晩の習慣です。
ある夜、日付が変わったころにテレビを消そうとしたところ、リモコンがまったく反応しなくなりました。
「あれ?さっきまで動いてたのに」
何度ボタンを押しても反応はありません。乾電池が切れたのだと思い、家の中を探しましたが、買い置きは見つかりませんでした。
「コンビニなら開いてるな。小銭で足りるだろう」
財布の小銭入れは、いつもふくらんでいた記憶があります。
私は財布だけを持って、静かな夜道をコンビニへ向かいました。
店内はがらんとしていて、レジには20代くらいの若い男性店員が1人いました。私は2本入りの乾電池を手に取り、レジへ持っていきます。
「こちら、お会計です」
値段を聞いて財布を開いた瞬間、手が止まりました。小銭入れの底にあったのは、10円玉が2枚だけ。念のためお札入れも確認しましたが、こちらも空っぽです。
「あれ…こんなはずじゃ」
少し考えたものの、家に戻ればお金はあります。
「すぐ戻ります、乾電池はレジに置いておいて」
「えっ、あ、お客さま…」
店員が何か言いかけていましたが、私はそのまま店を出て、急いで家へ戻りました。
玄関で開いた財布の中身
家に着くと、玄関の明かりをつけました。
念のため、どこかにお札が挟まっていないかと、もう一度財布を開きます。
そして何気なくカード入れを見たところ、キャッシュカードとクレジットカードがきちんと並んでいました。
「……あるじゃないか」
そこでようやく気づきました。クレジットカードで払えばよかったのです。店の機械でお金を下ろすことだってできました。
玄関に立ったまま、私はしばらく財布を見つめました。
とはいえ、せっかく家まで戻ってきたのです。
台所の引き出しから100円玉をいくつかつかみ、再びコンビニへ向かいました。
店に戻ると、乾電池はレジ台の上に置かれたままでした。若い店員は私の顔を見ると、少し笑いながら言いました。
「さっき、カードでも大丈夫ですよって言おうとしたんですけど…」
私は100円玉を出しながら、思わず苦笑いしました。
「…家に着いてから気づきました」
店員も笑って、「お気をつけて」と乾電池を渡してくれました。
家に帰って乾電池を入れ替えると、リモコンは何事もなかったように動きました。財布ひとつ持って出かけた深夜の買い物でしたが、私はずいぶん遠回りをしてしまったのでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














