「お隣が回覧板を1か月も止めてたのよ」近所に噂を広める隣人。回覧順を変えた私に、管理役が見せた記録
回覧板を止めたのは私?
ある日の昼、近所の回覧物がクリアファイルに入って届きました。
表には、回覧板を管理している年配の女性からの貼り紙がついていました。
「回覧板、1か月戻りません。早急に回してください」
どうやら、前に回した回覧板がまだ戻っていないようです。
私は受け取った翌日に、隣の家へ渡していました。
実は以前にも、私が鉛筆で書いた日付が消され、遅い日付に書き換えられたことがありました。
それ以来、日付はボールペンで書くようにしていたのです。
数日後、管理役の女性が戻ってきた回覧板を持って、夕方に訪ねてきました。
「お隣さんに聞いたら、お宅でずっと止まっていたって言うのよ。本当?」
「えっ?そんなことありません。翌日に回しましたよ」
見せてもらった回覧板には、私の書いた日付の上から太い字が重ねられ、1か月近く遅い日付になっていました。
「見てください。ここ、書き直されていますよね。私が書いた字じゃないんです」
管理役の女性は困ったように首をかしげました。
日付が変わっているだけでは、誰が書き直したのか分かりません。
その翌週、庭で植木に水をやっていたときのことです。
垣根の向こうから、隣の奥さんの声が聞こえてきました。
通りかかった近所の奥さんたちに話していたのです。
「お隣が回覧板を1か月も止めてたのよ。迷惑だわ」
思わず顔を上げると、隣の奥さんと目が合いました。
それでも、何事もなかったように話を続けています。
悔しくてたまりませんでしたが、言い返しても水掛け論になるだけです。
回覧する順番を変えた結果
そこで私は日付の判を買い、管理役の女性に相談しました。
「あの、次からお隣を最後に回してもらえませんか?」
「最後に?どうして?」
「どこで回覧板が止まるのか、今より分かりやすくなると思うんです」
「なるほどね。じゃあ、次はそうしてみましょう」
新しい順番で回覧板が届くと、私は翌日の日付を判で押し、次の家へ回しました。
それから約1か月後、集会所で集まりがありました。
管理役の女性の横に私が座り、向かいには隣の奥さん、後ろにはほかの家の人たちがいました。
管理役の女性は、回覧板を机に広げました。
「ちょっと、こちらを見てもらえますか」
回覧板には、各家庭が記入した日付が残っていました。
私を含め、ほかの家の日付は数日おきに並んでいます。
ところが、最後の隣の家へ回る直前の日付から、管理役の女性のもとに戻るまで、約1か月も空いていたのです。
「今回は、お隣に回るところまでは順調だったんです。でも、そこから戻ってくるまでが長かったんですよ」
隣の奥さんは回覧板を見つめたまま、黙っていました。
「それと、ほかの人が書いた日付は、直さないようにお願いしますね」
「それは、その…」
隣の奥さんが言葉に詰まると、後ろに座っていた女性が小さくつぶやきました。
「あれ?この前、話していたことと違うじゃない……」
その女性は、庭先で隣の奥さんの噂話を聞いていた人でした。
管理役の女性は、以前の貼り紙がついたクリアファイルを隣の奥さんに差し出しました。
「これを書いたときは、どこで止まっているのか分からなかったんです。でも、今回は日付を確認できました。これからは、なるべく早く回してくださいね」
隣の奥さんはクリアファイルに手を伸ばしかけましたが、何も言わずに引っ込めました。
私も、それ以上は何も言いませんでした。
それ以来、隣の家の欄にもきちんと日付が書かれるようになりました。
言い合いをするよりも、回覧板の記録を確認できるようにしてよかったと思っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














