
「高齢女性は産めない」発言にネットで怒りの声
2025年7月3日、参政党の神谷宗幣(そうへい)代表が参議院選挙の公示日に行った第一声の内容が、大きな物議を醸しています。
神谷氏はその中で、
「高齢の女性は子どもが産めない。適齢期の女性には1人でもたくさん産んでもらえばいい」
と発言。
記者団からの問いに対しても発言を撤回しない姿勢を示し、さらに炎上に拍車をかけています。
問題視されるのは“出産の押し付け”と人権意識
神谷氏の発言は一見、少子化対策の文脈にも見えますが、根底には「女性は子どもを産むべき」という固定観念がにじみ出ています。
SNSでは特に以下のような声が相次いでいます。
「産む・産まないは女性が決めること」
「“産めよ殖やせよ”って、戦前思想か?」
「個人の尊厳を無視した発言が許されていいのか」
さらに、「高齢女性は産めない」という発言についても、「医学的に不正確」「年齢だけで価値を測っている」との批判が寄せられています。
「女性は産む機械」を想起させる危うさ
多くの人がこの発言に反応したのは、2007年に当時の官僚が発した「女性は産む機械」発言を想起させたからです。
あの時も社会的に強い反発が起こり、言葉がいかに人を傷つけるかが議論されました。
それから18年経っても、なお似た価値観が政治の場で繰り返されていることに、落胆と怒りの声が上がっています。
神谷氏の「撤回しない」姿勢が火に油を注ぐ
記者からの指摘に対し、神谷代表は発言を撤回することなく、「事実を述べたまで」とする強硬な態度を見せました。
この姿勢に対しては、
「開き直りはリーダーとして不適切」
「信念ではなく“無配慮”でしかない」
といった批判も噴出しています。
さらに、参政党公式YouTubeチャンネルでは、該当発言が含まれる部分のアーカイブが非公開またはカット状態になっており、「逃げの姿勢では」「言論の責任を果たしていない」と指摘されています。
発言の影響は参政党全体に波及か
この発言は、神谷代表個人だけでなく、参政党という政党そのものの価値観や倫理観を問う事態に発展しています。
特に女性票・若年層の票を重要視する選挙において、
性的平等への理解不足
多様性への配慮の欠如
といったイメージがついてしまえば、今後の党勢拡大にとって大きな痛手となるのは間違いありません。
「産む・産まない」は誰の選択なのか
政治家が少子化に言及すること自体は必要な議論です。
しかしその際には、出産や育児に対する支援の拡充、選択を尊重する姿勢、そしてジェンダー感覚のアップデートが不可欠です。
今回の神谷代表の発言が炎上したのは、“正論かどうか”ではなく、発言の背景にある価値観や態度そのものが、すでに時代錯誤だったからかもしれません。
まとめ:「言葉の重み」を問われる時代に
政治家の言葉は、ただの“個人の意見”では済まされません。
その一言が、誰かの人生観や生き方、存在そのものを傷つけてしまうこともあるのです。
神谷代表の今回の発言をきっかけに、私たちは改めて「誰のための政治か」「誰の声を聞くべきか」を考える必要があります。
選挙はまさに、その答えを私たちが示す場でもあるのです。