
世界最大級の旅行サイト「トリップアドバイザー」が、旅行者から最高評価を得た観光地に贈る「トラベラーズチョイス ベスト・オブ・ザ・ベスト 2025」。
その最高峰の栄誉に、日本の中心・東京を代表する「明治神宮」が輝きました。
原宿駅のすぐ隣という立地ながら、一歩足を踏み入れれば都会の喧騒が嘘のような静寂に包まれる“都会のオアシス”。
しかし、その一方で「観光地化しすぎている」「神聖な場所ではないように思う」といった、厳しい声が囁かれているのも事実です。
果たして、世界が認めた聖地の“素顔”とは?実際に訪れた人々のリアルな口コミを徹底的に調査すると、がっかりする人の理由と、それでも多くの人が感動する理由、そしてこの場所の価値を180度変えてしまう、驚くべき秘密が見えてきました。
「もはや神聖な場所ではない」口コミで語られる“がっかり”の正体
まず、一部の参拝者が抱く不満。その原因の多くは、圧倒的な人気ゆえの“混雑”と“マナー”の問題にあるようです。
「沢山の外国人がルールやマナーを無視して群れています。明治神宮はもう神聖な神域ではないように思います。」
「授与所で何十個もの御守りを手に持ち、会計もせず、後ろで待つ人々を無視する白人の団体…授与所をお土産屋さんと思っているのでしょうか。」
静かに参拝したいと願う人にとって、賑やかすぎる環境は確かに心地よいものではないかもしれません。
中には、スタッフの対応に疑問を呈する厳しい声もあり、世界的な観光地ならではの課題が浮き彫りになっています。
それでも人々が惹きつけられる理由。「鳥居をくぐると空気が変わる」圧倒的な鎮守の杜
しかし、そうした不満の声を遥かに凌駕するほどの感動の声が、この場所には溢れています。その源泉は、「杜(もり)」そのものにありました。
「鳥居をくぐった途端に空気が変わった。(中略)ほんの少し前の原宿駅前の騒がしさを微塵も感じない。」
「広大で緑豊かな境内は、都心とは思えないほど静かで落ち着いた雰囲気があり、心がすっと癒されました。」
「なぜ今までこんな素晴らしい場所に来なかったんだろう!」
原宿の喧騒から一歩踏み入れただけで、空気がひんやりと澄み渡り、木々の香りと鳥のさえずりに包まれる。
この劇的なまでの“世界の切り替わり”こそが、明治神宮が単なる神社ではなく、「パワースポット」と呼ばれる所以なのです。多くの人がこの杜を歩くだけで「心が洗われる」「清々しい気持ちになれた」と語っており、その空間自体が持つ癒やしの力に惹きつけられています。
【意外な事実】実はこの森、すべて“人工”だった。口コミが明かした壮大な物語
そして、ここからが本題です。多くの人が「自然の森」だと信じているこの広大な杜。
実は、そのほとんどが人の手によって植えられた“人工の森”だという事実を、ご存知でしょうか。
「100年前、元は荒地同然だったこの地に、『森づくりの工程表』を策定し、(中略)計画した者達は決して見ることのできない100年後の森の姿を想定して作り上げたと聞いて、その凄さに畏怖すら覚えた。」
明治神宮が創建された大正時代、この地は荒れ地でした。
そこに、全国から献木された約10万本の木々を、「100年後、人の手を加えなくても自ら世代交代を繰り返す自然の森になるように」と計算し尽くして植えたのです。
つまり、私たちが今見ているのは、100年の時を超えて完成した、壮大なプロジェクトの集大成。
この事実を知ると、ただの参道散策が、先人たちの遥かなる想いと自然の営みを感じる、感動的な体験へと変わります。
まとめ:訪れる前に知るべき“二つの顔”
明治神宮。そこは、世界的な観光地としての賑わいと、一部の残念な側面を持つ「表の顔」と、都会の喧騒を忘れさせる癒やしの杜、そして100年の時をかけた壮大な物語という「裏の顔」を持つ場所でした。
もしあなたが訪れるなら、ただ本殿を目指すだけでなく、ぜひこの杜の物語に思いを馳せてみてください。玉砂利を踏みしめる一歩一歩の感触が、きっと違って感じられるはずです。世界が認めたその価値は、賑わいの奥にある、静かで壮大な時間の中にこそ隠されています。