本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「男が浮気するのは、妻にも隙があるからよ」
夫の浮気が発覚し、義実家で話し合いの場を持った時のことです。
動かぬ証拠を突きつけられ、小さくなっている夫の横で、義母だけが納得いかない様子で口を挟んできました。
「あのねえ、うちの息子は本来、優しくて真面目な子なのよ。それが魔が差したってことは、あなたにも原因があるんじゃない?」
義母はここぞとばかりに、私の仕事が忙しいことや、家事の手抜きを責め始めました。
「男が外に癒やしを求めるのは、家が安らげないからよ。あなたがもっと彼を支えてあげていれば、こんなことにはならなかったはず。被害者ぶってるけど、あなたも反省すべき点があるんじゃないの?」
夫の不貞行為を棚に上げ、「浮気された側にも落ち度がある」という理不尽な理論で息子を擁護しようと必死です。
黙って聞いていた私ですが、義母のその言葉を聞いて、ある「過去の事実」を武器に反撃に出ました。
「じゃあ、お義父さんの浮気も原因は……?」
「なるほど、浮気される妻の方に『原因』があるとお考えなんですね」
「そうでしょ? 女がしっかりしていれば、男はよそ見なんてしないのよ」
勝ち誇った顔をする義母に、私はニッコリと笑って言いました。
「そういえば……亡くなったお義父様も、昔は派手に浮気を繰り返して、お義母さんを泣かせていたと聞きましたが」
「っ……!?」
義母の顔が引きつりました。
実は義母、昔は義父の女遊びに散々苦労させられていたのです。
私は畳み掛けました。
「夫も言っていました。『親父の血を引いてるから仕方ない、遺伝だ』って。でも、お義母さんの理論でいくと、お義父様があれだけ浮気をしたのは、妻であるお義母さんに『原因』があって、お義母さんがしっかりしていなかったから……ということになりますよね?」
「なっ、そ、それは……!」
「私が悪いなら、お義母さんも同罪ですよね? まさか自分だけは棚に上げて『被害者だった』なんて言いませんよね?」
義母は口をパクパクさせ、顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。
自分の理屈で自分の過去を否定することになり、完全なる自爆です。
その後、何も言い返せなくなった義母と夫を残し、私は慰謝料をしっかり請求して離婚しました。
人を呪わば穴二つ、とはこのことですね。
******************
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
******************
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。














