子どもたちに地産地消を伝える「パティスリードパリ アトレビアント」

アルパジョンコンクールの入賞作品「アルパジョン」。チョコレートのビスキュイジョコンドの上には、オレンジゼストを煮込んだコンフィとオレンジ風味のガナッシュ、オレンジ風味のクレームブリュレ、そのまわりを包み込むのは、ベルギー産のビタームースショコラ。オレンジとチョコレートの絶妙なハーモニーを味わって。¥450

このように地元素材を使い、地域の人々と密接な関係を築きながら、大手洋菓子メーカーや本場パリでの経験を生かして、お菓子を作る中尾シェフ。ショーケースの中には、地元素材を使ったお菓子はもちろん、アルパジョンコンクールで入賞したお菓子「アルパジョン」や大阪府洋菓子協会主催「クリスマスケーキコンテスト」ブッシュドノエル部門で優勝したお菓子「ア トレビアント」など、輝かしい功績のお菓子も並びます。

それらに共通するのは、1つの素材をさまざまなテクスチャーで表現した、素材の持ち味を生かしたお菓子。例えばスペシャリテの「ア トレビアント」は、ベイクドとレアの2種類のフロマージュを用い、風味や口溶けの違いを1つのお菓子で表現。さらにクランブルを組み合わせることで、食感のバランスと繊細さを引き出しています。

イタリアンメレンゲでしっとり、さくっと焼き上げたパリ仕込みの「マカロン　パリジャン」はシェフの自信作。バニラ、抹茶、カフェ、ショコラ、レモン、ココナッツ、カボチャ、マロンの８種の詰め合わせ。¥1,500

もちろん焼き菓子やマカロンなども同様に、繊細かつ、温もり溢れるルックスと味わいを考えて編み出されています。これからのシーズンは「ゴンチャロフ製菓」時代に培った経験を生かして、「ショコラのケーキやボンボンも作る予定」と新しい季節に向けて意欲的なシェフ。

シェフ自身が大好きというフレンチレッドが基調の店内には、エッフェル塔などパリを感じるインテリア小物や飾られ、スイーツ＆フランス好きの目を楽しませます。訪れる人はもちろん、作るシェフ、接客するマダムも、心地よく過ごせる空間です。

素材を見極めながら丁寧に手をかけて作られるやさしい味わいの中尾シェフのお菓子は、地元の人々に笑顔の輪を徐々に広げているようです。

店舗情報

プロフィール

いなだみほ 神戸岡本在住のフリーランスエディター＆ライター。 お菓子、パンを中心に雑誌やウェブで執筆中。 好きなお菓子は、クラシックなお菓子、素朴なお菓子、物語のあるお菓子。 現在、自身のブログ「miho a la mode」では 東北地方のおいしくかわいいお菓子を取り寄せて「北国のおかし」を連載中。

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