「叱らない育児」という言葉、一度は聞いたことがある人も多いのでは?
子どもを怒鳴らず、否定せず、共感と対話で導いていく――そんな優しい育児スタイルとして広まりつつある一方、今ネットではこんな声が増えてきています。
「叱らない育児って、放任と紙一重じゃない?」
「最近、注意しても響かない子どもが増えてない?」
「親が“叱らない主義”に逃げてるだけに見える…」
SNSや育児掲示板では、共感と警鐘が入り混じった“叱らない育児論争”がヒートアップ中です。
叱らない育児ってどんなもの?
叱らない育児の基本は、「怒る」ではなく「伝える」。子どもが間違った行動をしたときでも、頭ごなしに「ダメ!」と言わず、「どうしてそうしたの?」「それをしたら誰が困ると思う?」といったように、対話を通じて気づかせていくスタイルです。
これは、子どもの自尊心を守る、自己肯定感を育てる、親子の信頼関係を深める…など、現代の育児の理想とも言える考え方です。特に感受性の強い子や、繊細な子には合っているとも言われています。
でも本当に、それだけでいいの?
一方で、やり方を間違えると“叱らない育児”は一気に方向を誤ります。
たとえば、「良くない行動をしても、注意せずにスルー」「子どもに嫌われたくなくて怒れない」など、叱らないことが目的になってしまっているケースです。
実際、「自由にさせすぎて、集団生活でルールが守れない」「何がダメなのか分からない子になった」という声も多数あります。
つまり、“叱らない”というスタイルを履き違えると、「何をしても許される」と思い込んだり、周囲との衝突が増えたりと、子どもにとっても社会にとってもデメリットが大きくなる可能性があるのです。
ネット上のリアルな声
SNSでは、
「叱らない育児を実践した結果、子どもがエスカレートして止められなくなった」
「“感情的に怒る”ことと“悪いことを伝える”ことは別。線引きをしないとダメ」
「叱らない育児はむしろ“叱るより難しい”。親に相当な覚悟と根気がいる」
といった、実際に経験したからこそ出てくるリアルな声も散見されます。見方を変えれば、“叱らない”というスタイルは、ただ甘やかすことではなく、叱るよりずっと手間と根気が必要な“高度な子育て”でもあるのです。
結局、叱らない育児は危険なのか?
結論から言えば、「叱らない育児=危険」ではありません。
ただし、それが“何も言わない育児”になっているなら、それは育児ではなく放任です。ルールも境界線も教えずに育った子どもが、社会の中で戸惑うのは当然のこと。大事なのは、「叱らない」ではなく、「感情に任せて怒鳴らない」「暴力的に怒らない」という姿勢。
言葉を選び、冷静に、でも毅然と「それはダメだよ」と伝えることは、子どもにとって安心感につながります。
叱る、叱らないという“方法論”にこだわるよりも、
「どう伝えたらこの子に届くか?」という視点を持ち続けられるかどうか。
それこそが、今求められている育児の本質なのかもしれません。