
転売問題と誹謗中傷の繋がりとは
「Switch2、また買えなかった」
「メルカリにはなんで山ほどあるの?」
発売と同時に全国で悲鳴があがったNintendo Switch2の転売問題。
SNSには怒りの声があふれ、過激な投稿まで拡散されました。
でも──
その“怒り”は、どこまでが正当で、どこからが危険なのか。
そして、「叩かれる対象」って、本当に悪い人だけなのか?
「正義の怒り」は、いつしか“リンチ”に変わる
ネット炎上のきっかけは確かに「正当な怒り」から始まります。
高額転売や不公平な流通に対する批判は、社会的な問題提起とも言えます。
しかし、
転売していない人への誤爆
転売ヤーの家族・勤務先への“晒し”
匿名掲示板での暴言合戦
企業アカウントへの脅迫DM
など、“正義”が“攻撃”に変わった瞬間、それはもはや誹謗中傷と呼ぶべき行為です。
なぜ「叩きやすい誰か」に矛先が向かうのか?
SNSやネット掲示板では、
本人が転売したかどうか確認せずに攻撃
転売とは関係ない投稿者への八つ当たり
人気インフルエンサーへの「お前は買えてズルい」攻撃
など、「誰かがムカつく」という感情だけで無関係な人が“燃やされる”現象が多発します。
特にZ世代では
「ストーリーで誰かの購入報告を見るとムカつく」
「リア垢で買えなかった人の愚痴が連鎖する」
という“嫉妬と共感の連鎖”も増えています。
匿名性と“炎上の快感”が生む危うさ
ネットでは、自分の顔も名前も出さずに、誰かを攻撃できる。
しかも「いいね」や「RT」で“支持された感覚”も味わえる。
これは、怒りを快楽として消費してしまう構造でもあります。
その結果、
「言いすぎた」と思っても止まらない
自分が加害者だという意識を持てない
“正義”の名のもとにエスカレートする
という、極めて危険な状況に陥ることがあります。
本当に守るべきは“怒り”ではなく“人”
転売に怒るのは当然です。
でも、その怒りで無関係な誰かを傷つけてしまうのは、違う。
たとえば今後できることとしては:
転売対策をメーカーに要望する
正規販売ルート以外では買わない
炎上に加担しない・RTしない
被害に遭った人が声を上げられる空気づくり
匿名空間で誰かを攻撃するのではなく、“問題そのもの”に向き合う姿勢が、今こそ問われています。
まとめ:「怒り」を、誰にぶつけるかを間違えないで。
「買えなかった」
「ずるいと思った」
「悔しかった」
その感情は、あなたが真剣に“欲しかった証拠”。
でも、それを誰かにぶつけてしまったら、「被害者」から「加害者」になってしまう。
あなたの怒りは正しい。
でも、その怒りの使い方こそ、いま、いちばん冷静に考えるべきことかもしれません。