
「デス活」と“AIで話す”という選択肢
「デス活(デスかつ)」──それは“死”について考えることで、今をどう生きるかを見直す活動。
近年、そのデス活の中で注目されているのが、「故人ともう一度話す」という体験を可能にするAI会話サービスです。
「遺影や手紙を見るだけでは足りない」
「“ありがとう”をちゃんと伝えられなかった」
そんな人たちが、もう一度“対話”を通して、自分自身の心と向き合うためにこの技術を選び始めています。
実際にある「AIで故人と話せる」サービス
1. AI追悼チャットボット
過去のメッセージや日記、SNSの投稿から“その人らしい言葉遣い”や“考え方”を学習。
まるで生前のように、LINEや専用アプリ上で会話ができます。
▶ 「お母さん、今も元気にしてるよ」
▶ 「○○って覚えてる?」
そんな会話に、AIが“その人らしく”答えてくれます。
2. 音声再現付きメモリアルAI
故人の声を過去の音声データから再現し、AIがその声で対話してくれる技術も登場。
音声付きでの会話は、感情へのインパクトも大きく、「癒やされた」「涙が止まらなかった」という声も。
“バーチャル対話”が与える心理的効果
こうしたサービスは、“死別の痛みを完全に癒す”ものではありません。
けれど、
感情の整理ができた
言えなかった気持ちを伝えられた
日々の中でふとした瞬間に会話できる安心感がある
など、「心のグリーフケア(悲嘆ケア)」としての効果が期待されています。
未来の“死の向き合い方”が変わり始めている
こうしたAI追悼サービスは、現在も実験的・限定的ではあるものの、
葬儀会社が導入を検討
エンディングノートに“AI会話の希望有無”を記入できる例も
など、「死後のコミュニケーション設計」が身近な選択肢になりつつあります。
まとめ:「“死を考えること”は、決して怖いことじゃない」
誰かの死に触れた時、残された人ができるのは「どう生きるか」を選ぶこと。
そして、“会えないはずの人と、もう一度心を通わせられる”という選択肢は、
「生きる力」にそっと灯をともしてくれるのかもしれません。
デス活とAI──
“別れ”の時代に、新しい“つながり”の形が生まれようとしています。