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2025.10.22(Wed)

「同棲はうまくいかないよ」そう言っていた親友。久しぶりに会った彼女の左手を見て息をのんだ【短編小説】

「同棲はうまくいかないよ」そう言っていた親友。久しぶりに会った彼女の左手を見て息をのんだ【短編小説】

同棲を否定する親友

こんにちは、美咲です。
私は今、恋人の拓也と来月から一緒に住むための準備を進めています。
新しい家具を選んだり、荷造りをしたり。不安よりも「楽しみ」という気持ちが勝っている毎日です。

ですが、そんな私にずっと重くのしかかっていた言葉があります。

「美咲、悪いことは言わないから同棲はやめたほうがいい。同棲はうまくいかないよ」

半年前、そう私に忠告してきたのは、大学時代からの親友・沙織でした。沙織は昔からしっかり者で、何事にも慎重なタイプ。
彼女自身の経験なのか、誰かから聞いた話なのかは分かりませんが、「生活を共にすると、嫌なところばかり見えて幻想が壊れる」というのが彼女の持論でした。

あんなに強く反対された手前、なんとなく連絡しづらくなってしまっていたのですが、先日、久しぶりに沙織から「お茶しない?」と連絡が来たのです。

少し緊張しながら、駅前のカフェに向かいました。
「美咲、久しぶり! ごめん、待った?」 「ううん、私も今来たとこ。元気だった?」

変わらない笑顔にほっとして、私たちは積もる話を始めました。
仕事の愚痴や、最近ハマっているドラマのこと。そして、私は意を決して本題を切り出しました。

「あのね、沙織。私、やっぱり拓也と一緒に住むことにしたんだ」

また反対されるかもしれない。
そう思って、ぎゅっと膝の上で手を握りしめます。沙織は「そっか」と一瞬目を伏せ、それから顔を上げました。

その時です。

左手にあったのは

彼女がテーブルの上にあった水を飲もうとグラスを持った瞬間、その左手の薬指に、きらりと光る指輪があるのが目に入りました。

「……え? 沙織、それって……」

思わず息をのみました。だって、それはどう見ても……。

「あ、バレたか」 沙織は、今までに見たことがないくらい、はにかんだ笑顔を見せました。
「実は、私も……先月から彼と住み始めて。で、これ、プロポーズされちゃった」

「ぜったい、うまくいかない」と言っていた張本人が、誰よりも幸せそうに笑っています。

「人って変わるものだね」 そう言って笑う沙織を見て、私の心にかかっていた霧も、すーっと晴れていくのを感じました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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