tend Editorial Team

2025.11.12(Wed)

「あんた、娘に近づかないで!」と怒鳴る元妻。後日、娘からの手紙を見て自身の過ちに気付いた【短編小説】

「あんた、娘に近づかないで!」と怒鳴る元妻。後日、娘からの手紙を見て自身の過ちに気付いた【短編小説】

実の母が現れた

私は、夫と彼の連れ子である娘と三人で暮らしています。
娘は、夫の前の妻、つまり「元妻」が親権を手放した子でした。
私は、血の繋がらないこの娘の「本当の母親」になりたいと、必死に努力してきました。

毎朝、娘の好きなおかずを入れたお弁当を作り、学校の送り迎えも、どんなに仕事が忙しくても私がやると決めました。
最初は私を「新しいおばさん」と呼んでいた娘も、最近では「お母さん」と呼んでくれるようになり、笑顔も増えました。
私は、ようやく本当の家族になれた、と天にも昇る気持ちでした。

だから、あの日。
娘の学校の参観日で、あんなことが起きるなんて、信じられませんでした。

娘の隣で授業の様子を見守っていると、突然、見知らぬ女性が鬼の形相で私の前に立ちはだかったのです。
それが、夫の元妻、娘の実の母親でした。

「あんた、娘に近づかないで!」

彼女は、私に向かってそう怒鳴りました。
周囲の父兄たちが、驚いてこちらを見ています。
私は、あまりのことに声も出ませんでした。

(どうして? 娘を捨てたのは、あなたの方なのに) 私は、この娘のために、誰よりも努力してきたのです。
「あんた」呼ばわりされ、「近づくな」とまで言われる筋合いはありません。

その夜、夫にそのことを話すと、

「気にするな。あいつが一方的に出ていったんだ。お前は、あの子のたった一人の母親だよ」

と強く抱きしめてくれました。
その言葉で、私は自分の正しさを確信しました。

娘の本心

しかし、数日後のことです。
私が娘の部屋を掃除していると、机の引き出しの奥から、くしゃくしゃになった手紙が落ちました。
それは、娘が、私宛に書いたものでした。

『お母さん(私のこと)へ。 ママ(実母)のこと、わるく言わないでください。 お母さんが「お前は、あの子のたった一人の母親だよ」ってパパと話してるの、聞きました。 私は、今のお母さんも大好きです。でも、ママのことも、大好きです。 だから、ママに会わせてください』

私は、その手紙を握りしめたまま、その場に崩れ落ちました。
血の気が引いていくのが分かりました。

私は、娘の「本当の母親」になりたい一心で、無意識のうちに「実の母親」の存在を、娘の心の中から消そうとしていたのです。

「娘に近づかないで!」

あの言葉は、私という人間個人に向けられたものではありませんでした。 娘から「実の母親」との絆を奪い、自分だけのものにしようとしていた、私の身勝手な行動に向けられた、当然の叫びだったのです。

私は、自分の恐ろしい過ちに、その時ようやく気付きました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

******************
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
******************

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.05(Mon)

「えー、かわいい!これ着る!」買い物に失敗したと思った母。数年後、娘を見て笑った理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「昨日のは、なんていう曲?」隣のお風呂の歌声を気にしていた私。だが、ママ友の一言で固まった理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「Mなら余裕だよ」とサイズ表を見なかった私。だが、届いたジャケットを長男が着て分かった勘違い
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.10.02(Fri)

「母さん、5万円分の旅行券だよ」80歳の誕生日、弟の贈り物を母がそっと押し返した理由
tend Editorial Team

2026.05.22(Fri)

「今までどうやって生きてきたの笑」半同棲状態になった彼の本性。我慢出来ずに別れを告げた結果
tend Editorial Team

2026.05.06(Wed)

「乗車拒否もわからなくもない」「迷惑系をやったというのはそういう事」とネットでは厳しい声も。元迷惑系YouTuberのへ...
tend Editorial Team