本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
夫の行動に違和感
私は、夫の行動がおかしいと感じてから、もう何日も胸の奥が冷たいままでした。
「ねぇ、最近、週末のゴルフ、やけに早く帰ってくる日があるわよね?」
「なんだよ、急に。知ってるだろ、取引先の関係でさ。早く終わる日もあるって。」
「でも、あなたのゴルフバッグ、全然泥がついてないわ。いつもはもっとドロドロなのに。」
夫は鼻で笑いました。
「そんな細かいことまで気にしてるのか?俺を疑ってるのか?」
「俺は浮気なんかしてない」と、夫はまるで自分が被害者であるかのようにシラを切り続けました。
そんなある日、ふと、私たちの車に付いているドライブレコーダーのことを思い出しました。
あれは、私が数か月前、駐車中に車を当て逃げされたことがあり、それ以来、私の提案で取り付けたものでした。
夫は「別にいらないだろ」と渋っていましたが、事故防止のためにと押し切って付けてもらったのです。
「もし、万が一、何かあったとしても…これなら動かぬ証拠になるわ。」
ドライブレコーダーに映っていたのは
私は、夫が出張で留守の間に、恐る恐るリビングのパソコンでドラレコのSDカードを再生しました。
日付は、夫が「ゴルフで接待だ」と言って朝早く出て、夕方には帰宅した土曜日。
画面には、ゴルフ場とは無関係そうな、都心の小洒落たレストランの駐車場が映っていました。
そして、夫が車を降り、助手席のドアを開ける様子が映し出されました。
「ごめん、待たせたね」
夫の声。
そして、画面に映ったのは、私の知らない、若くて華やかな女性の笑顔でした。
二人が手をつないでレストランに入っていく様子が、鮮明に記録されていました。
出張から帰ってきた夫に、私はいつものように夕食を出し、そして、切り出しました。
「ねぇ、ドライブレコーダーの映像、見たわよ。楽しそうだったわね。」
夫は顔からサッと血の気が引き、箸を取り落としました。
「な、何を言ってるんだ?」
私はただ無言でパソコンの画面を開き、保存した映像を再生しました。
「浮気なんかしてない」と豪語していた夫の顔は、一瞬にして青ざめて別人のようになり、ただただ静かに、絶望的に、うなだれるだけでした。
夫がシラを切るたびに積み重なった私の心労は、この映像によって報われたような、それでいて、深くえぐられたような、複雑な痛みを残しました。
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