本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
自称・イクメン夫
私はフルタイムで働きながら、家事と育児に追われる毎日を送っています。一方、夫は典型的な「自称・イクメン」でした。
たまにお皿を数枚洗っただけで「俺、家事もしっかり手伝ってるだろ?」とドヤ顔。その後、洗剤が飛び散ったシンクや、汚れの残ったお皿をこっそり洗い直すのは私の役目です。
ある週末のこと。夫の友人が遊びに来ることになり、夫は上機嫌で準備をしていました。と言っても、彼がやったのは掃除機をリビングにさっとかけただけ。
それなのに、友人が到着するなり、夫の自慢話が始まりました。
「いやあ、最近は俺も家事と育児をかなり手伝ってるんだ。今の時代、男も協力しないとね」
友人は「感心だなあ」と褒め、夫はますます鼻を高くしています。私はキッチンで忙しく料理を作りながら、その「手伝ってる」という言葉にモヤモヤしていました。
「手伝う」って何?ここはあなたの家でしょ?それに、実際は私が九割以上こなしているのに。
すると、静かにおもちゃで遊んでいた娘が、不意に口を開きました。
娘の無邪気な一言
「パパ、嘘ついちゃだめだよ」
リビングの空気が凍りつきました。夫は慌てて「何言ってるんだ、パパはいつも頑張ってるだろ?」と笑って誤魔化そうとしましたが、娘の追撃は止まりませんでした。
「パパが掃除機したのは一ヶ月ぶりでしょ。いつもはママが疲れた顔でやってるよ。それにパパが『一緒に遊んでる』ってママに言っているときだって、パパはスマホでゲームして、私にはYouTube見せてるだけじゃない」
友人の視線が、一気に冷ややかなものに変わりました。夫の顔はみるみる青くなり、最後には土気色に一変しました。
「ママはパパが脱ぎっぱなしにした靴下も、黙って洗ってるんだよ。パパは『手伝ってる』じゃなくて、ママを『困らせてる』んだよ」
娘の純粋な指摘に、夫は一言も返せませんでした。友人が帰った後、夫は生まれて初めて、自分から進んで溜まった洗濯物を畳み始めました。
その小さくなった背中に、私は少しだけスカッとした気持ちになったのでした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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