「え、そこに入るの?」2つの列の間から前に入った女性。数か月後、同じことをしかけた自分に気づいたワケ
二つの列の間に立つ女性
少し前、仕事帰りにドラッグストアへ寄ったときのことです。
その日は買うものも少なく、すぐに帰れるだろうと思っていました。
店にはレジが二つあり、それぞれに五人ほどが並んでいました。
私は右側の列の最後尾へ。
すると、その少し前、二つの列の間に中年の女性が立っていることに気づきました。
女性はどちらの列にも入らず、かごを持ったまま右を見たり左を見たりしています。
片方の列が進むとそちらへ少し寄り、もう片方が進むとまた戻る。
その様子を見ながら、私は「どちらに並ぶんだろう」と気になっていました。
やがて右側の列が進むと、女性はそのまま私の前へ入ってきました。
「え、そこに入るの?」
思わず心の中でつぶやきましたが、声には出せませんでした。
女性から「すみません」といった言葉もありません。周りの人も何も言わず、私もそのまま並び続けました。
正直、そのときは少しモヤモヤしました。最初からどちらかに並んでいればいいのに、と感じていたのです。
数か月後、自分の足も動きかけた
それから何か月かたった朝、私は同じ店に立っていました。
切らしていたものを買いに寄ったのですが、乗るつもりだった電車の時間が迫っていました。
レジは二つとも並んでいます。私はかごを持ったまま、右と左を何度も見比べました。
「どっちが早いかな…」
片方では会計が終わりそうで、もう片方ではまだ商品を読み取っています。
その瞬間、自分の足が二つの列の間へ少し動きかけました。
そこで、数か月前の女性の姿が頭に浮かびました。
「あ、俺も同じことしようとしてる」
慌てて足を戻し、右側の列の最後尾に並びました。順番どおり会計を済ませて駅まで急ぎましたが、改札を抜けたころには、乗るつもりだった電車のドアはもう閉まっていました。
見えていなかった事情もあったのかもしれない
その夜、妻に電車へ乗り遅れたことを話しました。
レジで自分も二つの列の間に立ちかけたことまで話すと、妻は少し笑いました。
「じゃあ、あの人のことばかり責められないね」
「まあ……そうだね」
数か月前の女性に、どんな事情があったのかは分かりません。
私のように時間を気にしていたのかもしれませんし、まったく別の理由だったのかもしれません。
ただ、自分が急いだときに同じ行動をしかけたことで、見え方は少し変わりました。
それ以来、どちらが早いか迷うことがあっても、まずはどちらかの最後尾に並ぶようにしています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














