「紹介がないのは、そちらの怠慢じゃないですか」年収2,000万円を望む男性。だが、上司との面談で黙り込んだワケ
年収2,000万円を希望した男性
私は三十代で、転職を考えている人の相談に乗り、求人を紹介する仕事をしています。
面談では希望する仕事内容や年収を聞くだけでなく、その人の経験や強みを整理し、企業にどう伝えるかも一緒に考えていきます。
その日担当した男性は、希望年収を尋ねると、迷う様子もなく答えました。
「年収2,000万円以上の会社じゃないなら、紹介しなくていいです」
聞き間違いかと思い、念のため確認しましたが、男性の希望は変わりませんでした。
私は条件を記録し、今度はこれまでの経験や強みについて尋ねました。
「企業に伝えたい強みはありますか?」
すると男性は、当然のように答えました。
「わざわざ伝える必要はないと思います。わかる会社にはわかるので」
「面接でも聞かれるところなので、整理しておいたほうがいいですよ」
そう伝えると、男性は少し表情を硬くしました。
「僕の魅力を感じ取れない会社に、用はないですから」
言い方を変えてもう一度尋ねても、男性は同じ言葉を繰り返しました。
結局、強みについて具体的な話を聞くことはできず、私は希望年収とその日のやり取りを面談記録に残しました。
しばらくして入った苦情
それからしばらくして、男性から上司あてに苦情が入りました。
「担当から求人を一つも紹介されない」という内容でした。
上司は私を責めることなく、「面談の記録を見せてもらえる?」と言いました。
記録を確認すると、上司は自分から男性と話すことにしました。
面談の日、上司は男性の希望条件で求人を検索し、その結果を印刷して席に持っていきました。
男性は座るなり、不満を口にしました。
「紹介がないのは、そちらの怠慢じゃないですか」
上司は声を荒らげることなく、持っていた用紙を男性の前に置きました。
希望条件の下には、「該当0件」と表示されています。
「こちらが、今のご希望条件で検索した結果です。担当もこの条件で探しています」
男性は用紙に目を落としました。
「でも、もっと探せばあるんじゃないですか」
「条件を少し変えていただければ、ご紹介できる求人は出てきます。どこまでなら変更できそうでしょうか」
上司がそう尋ねると、男性はしばらく何も言いませんでした。
やがて用紙を手元に引き寄せると、希望年収の欄を書き直しました。
男性が帰ったあと、上司は検索結果の用紙を私に渡しました。
「記録、きちんと残してくれてありがとう」
面談で聞いた内容を、そのまま正確に残しておく。その当たり前のことの大切さを、あらためて感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














