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2026.09.26(Sat)

「無理して食べなくてもいいんじゃない?」自分の皿を食べ終えた男性が彼女のパスタに手を伸ばした結果

「無理して食べなくてもいいんじゃない?」自分の皿を食べ終えた男性が彼女のパスタに手を伸ばした結果

自分の皿を食べ終えた男性が、次に手を伸ばしたのは

私が五十代で、飲食店の接客をしていたころの話です。

週末の昼過ぎ、店内が少し落ち着いた時間に、若いカップルが入ってきました。二人はメニューを見ながらしばらく相談し、それぞれ違うパスタを一皿ずつ注文しました。

料理を出して少したったころ、ホールを見回すと、男性の皿はすでに空になっていました。

一方、向かいに座る彼女の皿には、まだパスタがかなり残っています。

すると男性は彼女の皿へフォークを伸ばしました。

「これ、うまいね」

「うん…おいしいね」

彼女はそう答えましたが、自分ではまだ数口しか食べていません。

男性はそのまま何口か食べると、彼女の顔を見て言いました。

「もうお腹いっぱい?」

「いや、まだ…」

彼女が答えかけても、男性のフォークはまたパスタへ伸びます。

しばらくして、男性はもう一度言いました。

「無理して食べなくてもいいんじゃない?」

彼女は困ったように笑っただけでした。

私は少し離れたところでそのやり取りを見ていましたが、店員の立場で口を挟むことでもありません。ちょうど水が減っていたので、ピッチャーを持って二人の席へ向かいました。

彼女が頼んだのは、取り皿一枚だった

グラスに水を注いでいると、彼女が私を見上げました。

「すみません。取り皿を一枚もらえますか?」

「はい、すぐお持ちします」

取り皿を持って戻ると、彼女は残っていたパスタの一部をそこへ取り分けました。

そして、その皿を男性の前へ置きます。

「はい。食べるなら、こっちね」

男性は一瞬、彼女と取り皿を見比べました。

彼女は元の皿を自分の前へ引き寄せます。

「私もまだ食べたいから」

怒った口調ではありませんでした。ただ、今度ははっきりと言っていました。

男性は「あ、うん」と短く返し、それ以上、彼女の皿へ手を伸ばすことはありませんでした。

彼女はそのあと、残ったパスタをゆっくり食べていました。

食べ終わった皿を下げに行くと、彼女は私に笑いかけました。

「おいしかったです。ちゃんと食べられてよかった」

「ありがとうございます」

帰りぎわ、男性が先に店の外へ出ると、彼女は入口でこちらを振り返りました。

「取り皿、ありがとうございました」

私は「ありがとうございました」と頭を下げました。

強い言葉で責めるのではなく、取り皿一枚で自分の分をきちんと分けた彼女。その静かなやり方が、なぜか今でも印象に残っています。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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