「相談したのがうちだと分かったら怖くて」2週間迷った私。深夜の駐車場の縄跳びを止めた管理会社の対応
深夜0時を過ぎると聞こえてくる音
夜中の12時を回るころになると、寝室の窓の向こうから、縄が地面を打つ音が聞こえてきました。
マンションの1階にあるわが家は、住人用の駐車場のすぐ横です。音はいったん止まっても、しばらくするとまた始まります。毎晩2度ほど、そのたびに私は布団の中で目を覚ましていました。
ある朝、ゴミ出しで一緒になった3階の奥さんに、それとなく聞いてみました。
「夜中、駐車場のほうから音が聞こえませんか?」
「え、そうなの?うちは全然気づかなかったわ」
少なくとも、3階の奥さんには聞こえていないようでした。
その晩、また音が始まると、夫が言いました。
「これ、管理会社に相談したほうがいいんじゃない?」
「でも…うちが言ったって分かったら嫌だな」
駐車場のすぐ横にある部屋は限られています。相談したことで自宅を特定されるのではないかと思うと、なかなか電話をかける気になれませんでした。
跳んでいる人がどんな人なのかも知りません。本人は、縄の音が部屋の中まで響いているとは思っていないのかもしれない。
そう考えると、直接注意することにもためらいがありました。
2週間迷って、管理会社へ電話した
眠れない夜が続き、2週間ほどたった朝。私はようやく管理会社へ電話しました。
事情を説明しているうちに、不安だったことも口からこぼれました。
「相談したのがうちだと分かったらと思うと、怖くて…。電話するのもずっと迷っていたんです」
担当者は落ち着いた声で答えました。
「分かりました。特定のお部屋から相談があったとは書かないようにします」
私はほっとして、もう一つお願いしました。
「できれば、こちらが言ったと分からない形にしてもらえますか」
「はい。建物全体へのお知らせという形にします」
翌日、各戸のポストにお知らせが入り、駐車場の入口にも同じ内容が掲示されていました。
「夜10時以降、駐車場での運動やボール遊びなど、音の出る行為はご遠慮ください。建物に音が響きます」
ゴミ置き場で会った3階の奥さんは、その紙を見ながら首をかしげていました。
「駐車場でボール遊びする人なんているのかしらね」
私は「どうなんでしょうね」とだけ答えました。
その夜から、駐車場は静かになった
その夜、12時を過ぎても縄が地面を打つ音は聞こえてきませんでした。
次の日も、その次の日も静かなまま。それまで毎晩のように聞こえていた音は、それきり聞こえなくなりました。
数日後の夕方、駐車場の横にある公園を通ると、若い男性が縄跳びをしていました。深夜に駐車場で跳んでいた人と同じなのかは分かりません。
こちらと目が合うと、男性は縄を止めて軽く会釈しました。私も会釈を返し、そのまま家へ戻りました。
その晩、夫が寝室の窓を少し開け、外に耳を澄ませました。
「静かだな」
「うん。今日はちゃんと眠れそう」
管理会社に電話するまでずいぶん迷いましたが、相手を直接責めず、こちらの部屋も明かさない形で注意してもらえたことに安心しました。
その夜は、久しぶりに朝まで一度も目を覚ましませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














