「お弁当、食べますか」疲れたレジの私が言い間違え。男性客が少し考えて返した一言
忙しい夕方、同じ言葉を繰り返していた
20代の今でも、ときどき思い出して笑ってしまう出来事があります。
学生時代、会社の多い通りに面したコンビニで、レジのアルバイトをしていたころのことです。
その日は夕方からお客さんが途切れず、レジにはずっと列ができていました。
スーツ姿の会社員や学生が、お弁当や飲み物を手に次々とやってきます。
「いらっしゃいませ。袋はご一緒でよろしいですか」
商品を読み取り、お弁当なら温めるかを確認する。温かいものと冷たいものがあれば、袋を分けるかを聞く。
忙しい時間帯は、そんな決まったやり取りを何度も繰り返していました。
電子レンジから終了音が鳴るたびに商品を取り出し、また次のお客さんの会計へ。
疲れもあって、そのころには口だけが勝手に動いているような感覚になっていました。
「お弁当、食べますか」
次にレジへ来たのは、40代くらいのスーツ姿の男性でした。
男性がお弁当をひとつ台に置いたので、私はいつものように確認しようとしました。
ところが、口から出たのは別の言葉でした。
「お弁当、食べますか」
言った瞬間、「あれ?」と思ったものの、もう遅いです。
本当は「温めますか」と聞くつもりでした。
男性はすぐには答えず、目の前のお弁当をちらりと見ました。そして少し考えるような間を置いて、真顔のまま言ったのです。
「…たぶん、食べます」
その返事を聞いた瞬間、私は自分が何を聞いたのか、はっきり気づきました。
「すみません、違います。温めますか、でした」
笑ってはいけないと思ったのですが、口元がどうしても緩んでしまいます。すると男性も、ようやく状況が分かったように笑い出しました。
「ですよね。なんで食べるか聞かれたんだろうって思いました」
後ろに並んでいたお客さんからも小さな笑い声が聞こえ、私は恥ずかしさで顔が熱くなりました。
「温め、お願いします」
「はい……失礼しました」
私は笑いをこらえながらお弁当を電子レンジに入れました。男性もまだ少し笑っていて、温め終わったお弁当を受け取ると、軽く会釈して店を出ていきました。
翌週、同じお弁当を持ってきた男性
それから一週間ほどたった夕方、その男性がまた私のレジにやってきました。
男性がお弁当を台に置いたので、私が声をかけようとした、そのときです。
「今日は食べます」
先にそう言われ、私は思わず吹き出してしまいました。
「では…温めますか?」
「お願いします」
今度は間違えずに聞けました。忙しいときほど、慣れた言葉でも思わぬ言い間違いをするものなのだと、今でも思い出す出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














