「子どもはかわいい。けど、親が怖い。」
そんなセリフが冗談じゃなくなる瞬間――
それが“モンペ”(モンスターペアレント)との遭遇です。
現役保育士たちが語った「一生忘れられないモンペとの修羅場」を、リアルにお届けします。すべて実話。心の準備をしてお読みください。
Case.1
加害者に会わせないでください」…え、ケンカしただけで?
ある日、年中クラスで子ども同士のケンカが勃発。AくんとBくんがちょっとした言い合いをして、Aくんが手を出してしまいました。大きな怪我ではなく、その場で謝罪させて解決したと思っていたんですが――
その日の夕方、Bくんママが怒鳴り込んできました。
「Aくんはうちの子に暴力を振るいましたよね?それって加害者ですよね?」
「そういう子とは今後一切、同じ空間にいさせないでください。」
「あと、お昼寝の布団も隣にしないでください」
子ども同士のトラブルを「加害者と被害者」に変換してくる親。
この一件以降、クラスの座席配置から行事のペア決めまで、毎回“加害者”と“被害者”を分離させるという謎対応が続きました。
Case.2
他の子より地味なんですけど?」工作作品が“映えない”問題
製作の時間に、紙コップや折り紙でロボットを作った日のこと。Cちゃんはのびのびと、カラフルな紙を貼りつけて自由に楽しんでいました。
でも、完成した作品を持ち帰った翌日――
お迎え時にママから、まさかのクレーム。
「他の子のロボット、みんな可愛かったですよね?うちの子のやつ、なんか地味で…」
「これって先生が指導してないからじゃないですか?」
「来年はもっと“ちゃんと見栄えするもの”を作らせてくださいね。SNSに載せられないので」
…工作に“インスタ映え”が求められる時代。
自由制作とはいったいなんだったのか…。
Case.3
「警察呼びます」→原因は“おやつの時間”
Dくんのママから突然かかってきた1本の電話。
「おやつの時間にアレルギー対応じゃないお菓子を与えましたね?」
「これ、**殺人未遂だと思ってます。**警察に連絡しますから」
園で確認したところ、Dくんのアレルギー(小麦)はすでに医師の診断で解除されており、ママ自身も“通常食OK”の同意書にサイン済み。
それを説明しても納得せず、30分後にパパと一緒に園に乗り込み、
職員室前で「これから110番します」コールが始まりました。
園長が土下座寸前の対応で、ようやく収束。
Case.4
「うちの子、誘拐されたって言ってますけど?」とんでも被害妄想クレーム
延長保育の夜、Eくんをお迎えに来たママが開口一番こう言いました。
「Eが“先生にどこかに連れていかれた”って言ってるんですけど」
「もしかして、**勝手に車に乗せました?**それって誘拐ですよね?」
…もちろんそんな事実は一切なし。
聞けば、Eくんは“園バスごっこ”をして遊んだだけ。それを家で「どこか連れてかれた」と話したようで…。
説明しても、
「でも、子どもが“連れて行かれた”って言ってるんですよ!?信じないんですか?」
との一点張り。しばらく毎日、録音アプリを回しながらお迎えに来るようになりました。
保育士たちの悲鳴:「子どもは好き、でも親がしんどい」
モンペ問題は、「子どもへの対応」だけでは解決できません。
本当に恐ろしいのは、“理屈が通じない大人”とのコミュニケーション。
でも、今日も保育士たちは、目の前の子どもたちのために笑顔で乗り切っています。
それでも――
「せめて、子どもを“武器”にしないで」と願わずにはいられません。