「なんでそんなミスするの?」
「ちゃんと確認した?」
「集中力ないの?」
——自分でもわかってる。でも、“わかってるのにできない”のがADHDなんです。
子どもの頃は“ちょっと落ち着きない子”で済んだことが、大人になると「仕事ができない人」と見なされてしまう。
今回は、職場でありがちな“大人のADHDあるある”をまとめてみました。
思い当たる節があったら、自分を責めすぎずに「そういう脳のクセなんだ」と知ることから始めてみてください。
あるある①:「メモしてるのに、どこに書いたか忘れる」
・上司の指示をちゃんと書き取ったはずなのに、
→“どのメモ帳に書いたか”がわからない
・ 付箋を貼っていたはずなのに、貼った場所を忘れて机がカラフルになるだけ
・ 結果、「メモが増えるほど混乱する」という本末転倒状態に
あるある②:「次やること」がわからなくなる無限ループ
・メール返信中にSlack通知が来て、そっちを見てたら電話が鳴って…
→あれ、私、何してたんだっけ?がデフォ
・ “いまやってる作業”を3分で忘れて、次のタスクに無意識に乗り換えてしまう
→タスクが“着手中”で止まりがち
・「全部中途半端になって怒られる」→自己嫌悪→脳がフリーズする悪循環
あるある③:気になることがあると“それ以外が消える”
・資料のフォントが気になりすぎて、内容が頭に入ってこない
・ 会議中、誰かのペン回しが気になって発言が耳に入らない
・ 音・光・座り心地……刺激に強すぎて集中力が“まっすぐ”にならない
→ 過集中 or 無集中の二極化状態にハマることも
あるある④:シンプルなミスで信頼を落とす
・書類の名前を書き忘れる
・ ダブルチェックしたつもりが、チェックする項目を間違える
・ 日時や場所を1桁だけ間違える etc.
→ 周囲は「確認不足」と思うけど、実際は“見てるのに認識がすっ飛ぶ”タイプのケアレスミス
あるある⑤:「仕事が遅い」のではなく、切り替えが難しい
・やる気が出るまでに“助走時間”が必要
・やり始めると止まらず、「次に移る」タイミングがつかめない
・ 同時に複数の業務をふられると、何から手をつければいいか分からず停止する
あるある⑥:提出直前になって鬼集中する“ギリギリス”
・「あと5分で会議資料!」→そこから本気出す
・ 脳が“火事場モード”になって異常な集中力を発揮
・ ただし、その反動でどっと疲れて1日が終わる
あるある⑦:「ちゃんとしてる人」の前で萎縮しがち
・ミスが続くと「自分は使えない」と思ってしまい、発言しづらくなる
・ 自信をなくすあまり、過剰に謝ってしまう
・ 自分の“感覚のズレ”に気づいていながら修正できず、人付き合いにも苦手意識
でも、それって“サボり”じゃなく“特性”です
ADHDは「できる・できない」の話ではなく、**“脳の特性”による“苦手傾向”**の話。
一人で何とかしようとして疲弊する前に、以下のような対策を検討するのもアリです!
【仕事で試せるちょっとした工夫】
・ToDoリストは「1タスク1メモ」式で貼り替え式にする
・報連相は「口頭→即テキスト化」の流れをルール化
・タイマーやアラームを使って時間の感覚を見える化
・自分に合う“やる気スイッチ”を知っておく(音楽、コーヒー、場所 etc.)
【周囲への伝え方も大切】
・「集中しづらい時は、15分単位でリズムを作るようにしています」など、自己理解ベースの説明が◎
・必要であれば産業医や人事に相談して“合理的配慮”を得るのも選択肢
最後に:ADHDは「甘え」でも「怠け」でもない
むしろ、
・発想が豊かだったり
・緊急時に瞬発力があったり
・視点がユニークで、他の人が見落とすものに気づけたり
そんな“強み”もあるのがADHDの特性です。
困ることもある。でも、それだけじゃない。
「やらかし」はあるけど、「やる気」はちゃんとある。
ADHDのあなたが働く現場にも、“ちょっとした理解”が増えますように。