美瑛町観光協会の公式ホームページより引用
夏の北海道旅行といえば、多くの人が思い浮かべるであろう、あの世にも美しいコバルトブルーの絶景。北海道美瑛町にある「白金青い池」です。
その水面は、まるで絵の具を溶かしたかのように青く、立ち枯れたカラマツが幻想的な雰囲気を醸し出す、まさに「神秘」という言葉がふさわしい場所。一度見たら忘れられないこの風景に、多くの人が魅了されています。
しかし、この息をのむほどの絶景が、実は“人の手による工事”から“偶然”生まれたものだという事実は、あまり知られていません。
今回は、美瑛町観光協会の公式情報を基に、この青い池の秘密と、その魅力を120%味わい尽くすためのポイントを、メディアとしての視点も交えて深掘りしていきます。
【意外な事実】この絶景、実は“偶然”の産物だった
まず最も驚くべきは、この池の成り立ちです。美瑛町観光協会の公式サイトには、こう記されています。
「十勝岳の防災工事の際、堰堤にたまった水が、不思議なほど青い色をたたえ、立ち枯れのカラマツとあいまって幻想的な風景に。いつしか「青い池」とよばれるようになりました。」
計画的に作られた観光地ではなく、火山防災という人の営みが、自然の力と化学反応によって意図せずして創り出したアート作品。
そう考えると、この風景の神秘性がさらに増して感じられませんか?
私たちは、計算され尽くしたものではなく、奇跡的な偶然の産物を見ているのです。この背景を知るだけで、青い池の景色がより一層、特別なものに見えてきます。
なぜこんなに青い?科学が解き明かす「青さ」の理由
では、なぜこれほどまでに水は青いのでしょうか。それも、公式サイトが科学的に解説しています。
「アルミニウム成分等を含む硫黄沢川等の成分が異なる河川が混ざり合うことで、光を反射して青く見えるのが理由とされています。」 「太陽の光と水中のコロイド粒子が衝突し、(中略)波長の短い青い光が散乱されやすいため、その光がわたしたちの目に届き、青く見えると言われています。」
少し難しい言葉が並んでいますが、要するに、特定の鉱物成分を含んだ水が太陽光に反射することで、青い光だけが私たちの目に届く、ということ。
まるで巨大な理科の実験が、目の前の池でリアルタイムに行われているかのようです。
ただし、注意点も。「※雪融けの春や大雨の後は、成分が薄まり濁ったり青く見えないこともあります」とのこと。
いつでも完璧な青が見られるわけではないからこそ、あの美しい青に出会えた時の感動はひとしお。旅の醍醐味とも言えるでしょう。
青い池を120%楽しむための2つのポイント
せっかく訪れるなら、最高の体験をしたいもの。公式サイトの情報から、旅の満足度を格段に上げるためのポイントを2つ提案します。
①渋滞を避けて「午前中」を狙え!
公式サイトには「晴れた日の特に13時~15時の時間帯がいちばん混雑しております」という、非常に重要なアドバイスが書かれています。
午後にのんびり向かうと、駐車場待ちの渋滞に巻き込まれるだけでなく、混雑でゆっくり景色を味わえない可能性も。旅の達人は午前中に動きます。少し早起きして、静かな雰囲気の中で神秘的な青を独り占めする。これ以上の贅沢はありません。
②見るだけじゃない!「“青いグルメ”」を味わい尽くすべし!
景色を堪能した後は、ぜひ売店へ。ここには「青い池ソフトクリーム」や「青い池ソーダ」といった、見た目も鮮やかな“青いグルメ”が待っています。
特に、ラムネ味のソフトクリームはSNS映えも抜群。景色を目で楽しみ、グルメを舌で味わう。五感で青い池を体験することが、旅の思い出を何倍にも豊かにしてくれるはずです。
青い池だけではもったいない。「丘のまち びえい」の本当の魅力
最後に、青い池を訪れたなら、ぜひ「美瑛の丘」にも目を向けてほしいと思います。公式サイトが「美しい大地は農業の営みそのもの」と語るように、パッチワークのように見えるあの丘の風景は、観光用に作られたものではありません。
農家の方々が小麦やじゃがいもを育てる、厳しい仕事の積み重ねが生み出した「もう一つの絶景」なのです。
青い池という自然と人の営みが織りなした「偶然の奇跡」と、美瑛の丘という厳しい農業の中から生まれた「必然の美しさ」。この両方を感じてこそ、美瑛の旅は完成すると言っても過GENではないでしょう。
ただの観光地ではない、奥深い物語を持つ「白金青い池」。この夏、その神秘を体験しに訪れてみてはいかがでしょうか。