
札幌の街の中心を、東西1.5kmにわたって貫く緑の帯、「大通公園」。世界的に有名な「さっぽろ雪まつり」の会場として、その名はあまりにも有名です。
しかし、その輝かしいイメージゆえに、「イベントがない時期に行っても、ただの広い公園でしょ?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
果たして、雪像のない大通公園は、わざわざ訪れるほどの価値がある場所なのでしょうか?
その真相を探るべく、実際に訪れた人々のリアルな口コミを徹底的に調査。
多くの観光客が見過ごしている“意外な楽しみ方”が明らかになりました。
雪まつりは、ほんの一部。“一年中がハイシーズン”なイベントの宝庫だった
まず、多くの人が抱く「イベントがない時期」という心配。それは、全くの杞憂でした。口コミを調査すると、大通公園は雪まつり以外にも、季節ごとに魅力的な大規模イベントが開催される、まさに“一年中がお祭り”の場所だったのです。
【春】「5月末にはライラックが咲く、札幌市民のオアシスとなっている場所です。」
【夏】「サントリーのビアガーデン、暑い夏に嬉しいスポットだった。」
【秋】「ちょうど『札幌オータムフェスト』が開かれていて、多くの出店があり、楽しめました。」
【冬】「11月下旬に来訪したところ、クリスマスイルミネーションが!(中略)クリスマスマーケットもやっており、ご飯やクリスマスグッズが買える。」
春にはライラックまつり、夏には日本最大級のビアガーデン、秋には北海道の味が集結するオータムフェスト、そして冬には雪まつりとホワイトイルミネーション…。
どの季節に訪れても、何かしらの“特別”が待っている。これこそが、大通公園が一年を通して人々を惹きつけてやまない、最大の理由なのです。
何もなくても、それがいい。札幌市民に愛される“都会のオアシス”としての顔
では、本当にイベントが何もない時期は、退屈なのでしょうか?答えは「NO」です。むしろ、「何もない穏やかな公園が好き」という声も多く見られました。
「平日の昼間だったこともあり、観光客の方々と地元の方がそれぞれのペースで過ごしている光景が印象的でした。」
「都会のど真ん中で緑が豊富で露店も出ており、地元の方や観光客が芝生の上でくつろいでいる光景を見て、地元からも観光客からも愛されている公園だなと感じました。」
よく手入れされた花壇、涼しげな噴水、そして名物の「とうきび(とうもろこし)ワゴン」。イベントの喧騒がない時期の大通公園は、札幌市民や観光客が思い思いに過ごす、穏やかな“都会のオアシス”としての顔を見せてくれます。芝生に座ってただ空を眺めるだけでも、最高の贅沢な時間になるのです。
あなたは見つけられる?公園に隠された“野外美術館”という、もう一つの顔
そして、ここからが本題です。イベントや花壇、とうきびワゴン以外に、観光客の多くが見過ごしている“もう一つの楽しみ方”が、この公園には隠されていました。
「札幌は日本を代表するようなな彫刻家を多く輩出しているので、佐藤忠良から本郷新、そしてイサム・ノグチのブラック·スライド·マントラまで素晴らしい彫刻があります。」
「またライラックの中に埋もれた有島武郎や石川啄木の石碑など驚くほどの記念碑もあります。」
そう、実は大通公園は、日本を代表する彫刻家たちの作品が点在する、“巨大な野外美術館”でもあるのです。
特に、世界的な彫刻家イサム・ノグチが手掛けた滑り台「ブラック・スライド・マントラ」は必見。
口コミによれば、「大人が滑ると最初は急でドキドキなのが、降りるときは自然と立ってしまうというイサム・ノグチの意図の素晴らしさを感じられます」とのこと。
ただの公園だと思って歩いているだけでは、決して気づかないかもしれない深い文化的魅力。これを知っているかどうかで、大通公園散策の満足度は劇的に変わるはずです。
まとめ:「目的」がなくても楽しめる、札幌の“リビングルーム”
大通公園。そこは、雪まつりの会場という一面的なイメージを遥かに超えた、多彩な顔を持つ場所でした。
一年中絶えないイベントの舞台であり、穏やかな日常が流れる憩いの場であり、そして知的好奇心を満たしてくれる野外美術館でもある。
「ただの公園」と侮るなかれ。札幌を訪れたなら、ぜひこの街の“リビングルーム”で、あなただけの特別な時間を見つけてみてはいかがでしょうか。
※本記事で「野外美術館」と表現しているのは、大通公園内に点在する彫刻や文学碑を指した比喩であり、正式な施設名ではありません。