tend Editorial Team

2025.12.29(Mon)

「少し借りるだけだから」と実家の金庫を勝手に開けた兄→中に入っていた日記を見て泣いた理由【短編小説】

「少し借りるだけだから」と実家の金庫を勝手に開けた兄→中に入っていた日記を見て泣いた理由【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

遺産を狙う兄の暴挙

父の葬儀が終わって数日後のことです。
実家で私が遺品整理をしていると、普段は寄り付きもしない兄が突然やってきました。
兄は昔から金遣いが荒く、消費者金融にお世話になることもしばしば。

「親父、タンス預金とか隠してただろ? 俺、ちょっと支払いがヤバくてさ。遺産の前借りってことで、金庫の中身もらうわ」

兄はそう言うと、制止する私を突き飛ばし、寝室にある古い手提げ金庫を引っ張り出しました。

「暗証番号なんて、どうせ俺の誕生日とかだろ」

カチャカチャとダイヤルを回すと、予想通り「カチッ」と音がして蓋が開きました。

「へへっ、やっぱりな! さあ、いくら入ってるかな~」

兄は下卑た笑みを浮かべ、金庫の中を覗き込みました。しかし、次の瞬間、彼の動きがピタリと止まりました。

札束の代わりに残されていたもの

「……は? なんだこれ。金がねえぞ!」

金庫の中に入っていたのは、札束でも通帳でもなく、一冊のボロボロの大学ノートだけでした。
兄は苛立ちながらそのノートをパラパラとめくりましたが、数ページ読んだところで、その顔色がみるみる変わっていきました。

そこには、父と母の筆跡で、金銭の出納記録がびっしりと書かれていたのです。

『〇月〇日、〇〇(兄)の借金返済のため100万円送金』
『〇月〇日、〇〇が事故を起こした示談金として50万円支払い』
『〇月〇日、〇〇が会社をクビになった時の生活費援助……』

そう、両親は兄が作るトラブルのたびに、自分たちの老後資金を切り崩して尻拭いをしていたのです。
そして、最後のページには震える文字でこう書かれていました。

『これで私たちの蓄えは底をついた。けれど、息子が犯罪者にならず、まっとうに生きてくれるなら安いものだ。〇〇(私)には何も残してやれなくて申し訳ない』

兄は、自分がすでに遺産以上のものを受け取っていたこと、そして両親が文句一つ言わずに守ってくれていたことを知り、その場に崩れ落ちて号泣しました。

「俺は……俺はなんてことを……」

その後、兄は心を入れ替え、真面目に働き始めました。
もちろん、実家の家や土地の相続権は「俺には貰う資格がない」と全て放棄してくれました。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.02.13(Fri)

「私、そんなこと聞いてませんけど」と仕事のミスを認めない同僚。だが、同僚の大きなミスが発覚、認めない同僚に言った上司の言...
tend Editorial Team

NEW 2026.02.13(Fri)

「毎回きちんとお金入れてる?」無人販売システムのお金が足りず、私を疑う同僚。だが、犯人はその同僚と発覚、盗みを働いていた...
tend Editorial Team

NEW 2026.02.13(Fri)

60代の私が、マッチングアプリで出会った優しい彼。だが、結婚後に見えた彼の本性、私はどうしたらよかったのでしょうか
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.12.11(Thu)

「子供が受験落ちたから、お金払わないよ」と家庭教師にキレる親→子供の一言に赤面したワケ【短編小説】
tend Editorial Team

2025.09.11(Thu)

「一身上の不幸により活動休止」ホラー団体「暗夜」代表・桐木氏の突然の報告に衝撃広がる、団体は継続と発表も
tend Editorial Team

2025.10.16(Thu)

ホリエモン「うちの斉藤議員が自民党会派入りしました」と元秘書の状況を報告。SNSでは「期待してますよ」の声も
tend Editorial Team