tend Editorial Team

2026.01.12(Mon)

「今は勉強中だから」と3年間ニートの息子。だが、夫が放った皮肉をうけ、態度が一変【短編小説】

「今は勉強中だから」と3年間ニートの息子。だが、夫が放った皮肉をうけ、態度が一変【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

3年間繰り返された「勉強中」

「今は勉強中だから、邪魔しないで」

それが、25歳の息子の口癖でした。大学を卒業してから3年。彼は一度も就職することなく、自室に閉じこもって「資格試験の勉強」を続けていました。

私は、息子の将来を案じながらも、強く言えば彼が壊れてしまうのではないかと怖かったのです。食事を部屋の前に運び、彼が望む参考書を買い与える。

そんな甘い生活がずっと続いていました。夫もまた、仕事に追われる日々の中で、息子の現状から目を逸らしているように見えました。

夫の鋭い皮肉

しかし、ある夏の晩、その均衡が音を立てて崩れました。

珍しくリビングで夕食を共にしていた時のことです。息子がまた「次の試験に向けて、今は集中したい時期なんだ」と、いつもの言い訳を口にしました。

すると、それまで黙って箸を動かしていた夫が、ふっと冷ややかな笑みを浮かべたのです。

「へえ、3年も何を勉強しているんだ? もしかして、『親のスネをいかに効率よくかじるか』という学問の博士号でも取るつもりか?」

食卓が凍りつきました。私は慌てて夫を止めようとしましたが、夫の言葉は止まりません。

「お前は勉強という言葉を盾にして、戦う前から逃げているだけだ。お前が目指しているのは合格じゃなく、永遠のニートじゃないか」

あまりに鋭く、そして残酷な正論でした。息子は顔を真っ赤にし、握りしめた拳を震わせていました。怒鳴り散らすかと思いきや、彼は一言も発さず、椅子を蹴るようにして自室へ戻っていきました。

その夜、家中には重苦しい沈黙が流れました。

翌朝。私がいつものように朝食の準備をしていると、玄関で物音がしました。慌てて見に行くと、そこにはリクルートスーツに身を包んだ息子の後ろ姿がありました。

「……ハローワークに行ってくる」

ぼそりと呟いた彼の声には、これまでになかった力強さがありました。夫の放った皮肉は、息子の甘えを切り裂く一番の特効薬だったのです。

あの日から、我が家に停滞していた空気は一気に晴れ渡りました。今、息子は小さな会社で働きながら、自分の足で歩き始めています。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.13(Tue)

「どこも具合は悪くないので」ナースコールと外線電話を間違えた私。事務職員の返答に、病棟中が笑いに包まれた瞬間
tend Editorial Team

NEW 2026.10.13(Tue)

「毎朝お水を替えてるのよ」2年間も枯れない花を自慢する母。私が花びらに触れた瞬間、思わず声を上げた理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.13(Tue)

「じゃあ今から、お米を研ぐね」炊きたてのご飯を前に真顔で言った母。妹の冗談を信じて始めた行動に家族が唖然
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.12.29(Mon)

「家賃払ってるからいいの」と共有スペースに私物を置く住人。だが、管理人が貼り紙をすると…【短編小説】
tend Editorial Team

2026.06.10(Wed)

中島みゆきの『ファイト!』を聴いて何を感じるのか?SNSの誹謗中傷にアルコ&ピース平子祐希が投げかけたシンプルな疑問
tend Editorial Team

2026.03.24(Tue)

「戻らなくても平気だよね?」と体調不良の部下を見捨てた店長。後日、上層部の耳に入り、自業自得の結果に
tend Editorial Team