義母の嫌味
結婚3年目。
夫との生活は穏やかで、幸せそのもの。
しかし、私にはひとつだけ悩みがあった、それは義母の存在です。
義母は会うたびに、私の家事にチクチクと口を出してくるタイプ。
特に「料理」に関しては、異常なほどのこだわりと執着を見せてくるのだ。
「あなた、共働きだからって食事の手を抜いちゃダメよ」
「あの子、昔からもっと濃い味が好きなはずだわ。あなたの味付けじゃ、ちょっと物足りないんじゃない?」
顔を合わせるたびに繰り返される嫌味。
私はその都度、「すみません、勉強します」と愛想笑いでやり過ごすしかない。
けれど内心は穏やかではない。
(夫は最近、健康診断の結果を気にしているし、仕事もハード。だからあえて塩分を控えて、出汁を効かせた味付けにしているのに……)
こちらの気遣いなど知る由もない義母へのモヤモヤは、募る一方だった。
そんなある週末のこと。
義実家に親戚が集まることになり、私もエプロン持参で台所に立った。
任されたのは、夫の大好物である「肉じゃが」。
崩れにくいように面取りをしたジャガイモ、丁寧に灰汁を取った煮汁。
時間をかけてコトコト煮込み、味見も完璧。
これなら文句はないはず。
私は自信を持って大皿を食卓へ運んだ。
「お義母さん、肉じゃがができました。皆様でどうぞ」
湯気が立ち上る出来立ての一皿。
しかし、義母は一口食べるなり、わざとらしく大きなため息をついた。
「はぁ……。あら、やっぱり味が薄いわねぇ」
「え?」
「これじゃあ、毎日遅くまで働いている息子がかわいそうだわ」
言うが早いか、義母は信じられない行動に出る。
なんと台所から醤油と砂糖の容器をわしづかみにして戻ってくると、みんなが見ている前で、私が作った肉じゃがにドバドバと調味料を足し始めたのだ。
黄金色に輝いていたジャガイモが、瞬く間に茶色く濁っていく。
「これくらいしないと、ご飯のおかずにならないわよ」 義母は勝ち誇ったような顔で、菜箸で乱暴にかき混ぜる。
あまりの出来事に、頭が真っ白になった。
夫からの救いの一言
その時。
カチャッ、と箸を置く音が静寂を破った。
「母さん、いい加減にしてくれよ」
声の主は、夫。
普段は温厚で、滅多に声を荒らげることのない彼が、氷のような冷たい視線を義母に向けている。
「え?な、なに?私はあなたのために」
「僕のため?逆だよ」
夫は私の作った肉じゃがを指差し、きっぱりと言い放った。
「僕は今の仕事柄、健康に気を使ってくれている妻の味付けが一番好きなんだ。素材の味がちゃんとするし、毎日食べても飽きない」
そして、一呼吸置いてから続けた言葉が、決定打となる。
「正直に言うけど、母さんの料理は今の僕には塩分が強すぎるんだよ。子供の頃はそれが普通だと思ってたけど、妻の料理を食べるようになって気がついた。あれは体に毒だってね」
「ど、毒だなんて……!」
「これからは余計なことをせず、出されたものを美味しく食べてくれないか?それができないなら、もう食事の場には来ないから」
シンと静まり返る食卓。
義母の顔は、見る見るうちに茹でダコのように真っ赤に染まっていく。
完全に、ぐうの音も出ない状態だった。
それ以来、義母が私の料理にケチをつけてくることは一切なし。
あの日、夫が私の料理を「一番好きだ」と公言し、体を張って守ってくれたこと。
その頼もしい姿と、赤面して黙り込んだ義母の顔を思い出すたび、今でも笑みがこぼれてしまう。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














