「シートがふかふかで豪華ねえ」楽しみにしていた日帰り旅行。だが、幸せな時間が突如崩壊したワケ
電車内での井戸端会議
平日の朝。
私たち夫婦は、名古屋から大阪へ向かう日帰り旅行に出発しました。
「特別席、シートがふかふかで豪華ねえ」
「一番前は取れなかったけど、たまの贅沢には最高だな」
時間に余裕があったため、今回は奮発して特急の特別指定席を確保。
高級ホテルのような優雅な車内に、自然と気分も高まります。
しかし出発直前、その穏やかな空気は一変することに。
先頭から3列目あたりに、8人ほどの女性グループがどやどやと乗り込んできたのです。
「こっち座りなさいよ!」
「いやだぁ、久しぶりじゃない!」
「アハハハ!」
席に着くなり始まったのは、まるでご近所の井戸端会議。
周りへの遠慮など一切ない、自分たちの貸し切り状態です。
「ちょっと……声が大きすぎるわね」
困ったように顔をしかめる妻。
「まあ、列車が動き出せば落ち着くさ」
そう慰めたものの、完全に私の甘い考えでした。
出発して30分が過ぎても、おしゃべりのボリュームは一向に下がりません。
他の乗客たちも「いい加減にしてほしい」と冷たい視線を送るばかり。
トラブルを恐れて、誰も直接注意できない重苦しい雰囲気。
もちろん私たち夫婦も同じで、ただ我慢の時間が過ぎていきます。
注意してもらった結果
騒がしい状態が1時間も続いた頃。ようやく、車掌さんが見回りにやってきました。
後方の乗客が、たまらず苦情を伝えている様子。
私も車掌さんが通りかかった際、思わず声をかけました。
「すみません、あの方たちの声が……。少し注意していただけませんか」
「誠に申し訳ございません。すぐにお声がけしてまいります」
車掌さんが先頭へ向かい、グループにやんわりと注意。
その途端、あの大声はぴたりと止み、ひそひそ話へと変わりました。
車内にようやく戻ってきた静けさ。グループはその後、30分ほどで途中の駅で降りていきました。
「やっと静かになったわね。せっかくの旅行なのに疲れちゃった」
ため息交じりの妻の言葉に、私も深く頷きます。
大阪までの2時間のうち、半分以上は奪われてしまった穏やかな時間。
「人のふり見て我がふり直せ」
ふと、そんな言葉が頭をよぎりました。自分たちも、旅行で気分が高揚するとつい周りが見えなくなってしまうかもしれません。
公共の場でのマナーや気遣いは決して忘れてはいけない。そう強く考えさせられた、ほろ苦い体験です。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、60代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














