「どうしたんだい?迷子かな」小学生の頃、道に迷った私に声をかけた男性。後日、父から告げられた事実に寒気がした
「道に迷ったの?」救いの手は、二階の角部屋から
小学生の頃、親の用事で一人、見知らぬ道を歩いていた時のことです。
目的地はなんとなく分かっているつもりでも、曲がり角を一つ間違えれば、子供の目にはもうそこは迷路。
右も左もわからず、私は途方に暮れていました。
「あれ……おかしいな。こっちだと思ったんだけど」
似たような景色が続く住宅街。
心細さが募り、足が止まったその時です。
すぐ脇に建つ古いアパートの二階から、ガチャリと扉の開く音が響きました。
「どうしたんだい?迷子かな」
声をかけてきたのは、部屋から出てきたばかりの穏やかそうなおじさん。私は飛びつくように尋ねました。
「あの、〇〇に行きたいんですけど、道がわからなくなっちゃって……」
「ああ、そこなら簡単だよ。この道をまっすぐ行って、突き当たりを右に曲がればすぐそこだ」
「本当ですか!ありがとうございます!」
おじさんは優しく微笑み、丁寧に道を指し示してくれました。
その安心感といったらありません。私は何度もお辞儀をして、教えられた通りに走り出しました。
おじさんの言葉に嘘はなく、迷うことなく目的地へ到着。無事に用事を済ませることができたのです。
「ありえないよ」父の口から告げられた戦慄の事実
数日後、同じ道を親と一緒に歩いていた時のこと。
あのアパートが見えてくると、私は得意げにあの日の出来事を話しました。
「あ!お父さん見て、あの二階の角部屋!この前道に迷ったとき、あそこから出てきたおじさんが助けてくれたんだよ」
感謝を込めて指さした私に対し、父は怪訝な表情を浮かべて立ち止まります。
「……え? あの部屋から人が出てきたって?」
「うん、そうだよ。すごく優しいおじさんだった」
すると、父の顔からみるみるうちに血の気が引いていきました。
実は父、そのアパートが契約しているガス会社に勤めていたのです。
「それは、絶対にありえない。だってお父さん、そこの入居状況を仕事で把握してるけど、その部屋はもう2年以上前から空室なんだから」
「えっ……? でも、だっておじさんは確かに扉を開けて……」
「ガスも電気も、ずっと止まったままなんだ。人が住める状態じゃないし、誰かが入っているはずがないんだよ」
あの日、私のために扉を開けて出てきたあのおじさんは、一体どこからやってきたのでしょうか。
今思い出しても、あの穏やかな笑顔に、言葉にできない寒気が走ります。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














