「もう少しで食べられなくなるところだったね」ホテルの朝食会場。目の前で料理を取られた私が感じた本音
残り2つを見ながら並んでいた朝
旅行先のホテルで朝食をとったときのことです。
会場はほどよく混んでいて、私は白い皿を持ち、料理台の前にできた列に並んでいました。
少しずつ順番が進む中、前方の器に残りが少なくなっている料理がありました。
数えるつもりはなかったのですが、目に入ったのは残り2つ。
自分の番まで残るかどうか、ぎりぎりでした。
すると、私の前に並んでいた方が、別の列にいた家族を呼びました。
あとからこの出来事を話すとき、私はいつもこう説明しています。
「残り2つのところで、別の列の家族を呼ばれた」
家族が加わると、残っていた2つはなくなりました。
私は空のままの皿を持ち、その料理をあきらめて次へ進みました。
前に並んでいた人が先に料理を取ること自体は、不思議なことではありません。
だから、その場で何かを言うこともできませんでした。
「危なかったねー」と聞こえてきた声
料理を取り終えて席へ戻る途中、先ほどの方たちのそばを通りました。すると、はっきり聞こえる声でこんな会話が聞こえてきました。
「危なかったねー」
「もう少しで食べられなくなるところだったね」
3人で分けながら話している声でした。
私が引っかかったのは、料理がなくなったことそのものではありません。
すぐ後ろに並んでいた私にも聞こえる距離で、その言葉を聞いたことでした。
その後、空になった器のことをスタッフに伝える様子もありませんでした。「なくなっています」と一言伝えれば、補充されたかもしれません。
けれど、そう思った私自身も、スタッフには何も言えませんでした。
席に戻って、一緒にいた人に今あったことを話すと、こう返されました。
「スタッフさんに言えばよかったのに」
「…そうだね」
返事をしながら、その言葉は自分にも向けられている気がしました。
相手がなぜスタッフに伝えなかったのかは分かりません。
ただ、私には伝えられる場面があったのに、「まあいいか」とそのままにしてしまったのです。
旅行から帰ったあとも、料理そのものより「危なかったねー」という声のほうが妙に記憶に残りました。そして同時に、自分も黙ったままだったことを思い出します。
それ以来、ホテルや飲食店で空になっているものに気づいたときは、自分が欲しいものでなくても、近くのスタッフに一言伝えるようにしています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














