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2013.05.19(Sun)

吉田守秀シェフがパリに挑む!新店「モリ・ヨシダ」

静岡の店でも定番の「M」。メープルシロップを焦がして作り上げたクリームとマンダリンオレンジのコンフィチュールとのマリアージュは逸品。

静岡の店でも定番の「M」。メープルシロップを焦がして作り上げたクリームとマンダリンオレンジのコンフィチュールとのマリアージュは逸品。

そんなキャラメルの焦がし加減にこだわったケーキが、静岡でも評判の“M”です。ヘーゼルナッツのビスキュイに、ヘーゼルナッツのヌガティーヌを重ね、メープルシュガー味の2種のクリーム、アングレーズとガナッシュを層にして乗せ、その間にマンダリンのコンフィチュールを挟んでいます。このメープルシュガーをキャラメリゼして作った2種のクリームの焦げた味わいが秀逸。独特のスモーキーな風味でまろやかさもあり、フレッシュなマンダリンオレンジの酸味との相性が抜群。食後酒と一緒に味わいたい完成度でした。

“M”とは守秀さんのMであり、メープルシロップのMでもある、吉田さんの作品を代表するスペシャリテ。また、ヘーゼツナッツのプラリネクリームを挟んだ“ミルフィーユ”も絶品。しっかりとした木の実の味わいの、しっかりとしたテクスチュアのクリームが、目の詰まったフイユタージュとバランス良く、フランス人のパティシエにも負けない感性によるクリエーションでしょう。

オリジナリティも美味しさも溢れる、赤ワイン風味プラムのトリュフチョコレート。

オリジナリティも美味しさも溢れる、赤ワイン風味プラムのトリュフチョコレート。

日本の店鋪ではバレンタイン時期以外は扱っていなかったチョコレートも、「フランスではチョコレートにも力を入れていきたい」と吉田さん。柑橘×プラリネの味わいは文句なく美味しく、芋焼酎味のガナッシュなどもオリジナルな味わいですが、赤ワイン風味のプラムにガナッシュクリームを挟んだ大ぶりのトリュフが特におすすめ。

フランス在住歴は3年間という短期間ながら、フランス人の心をしっかりつかむに違いない、吉田さんにしか作れないクリエーションを生み出しているのは、やはり静岡での地道な経験があるからこそ。「静岡は、マンゴーなど豊かな果物に恵まれています。フランスでも、トップシェフたちはアンテナを張って優れた素材を探し、個性的なレシピを作っている。僕もどんどんフランスの素材の魅力を発見して、僕なりのスイーツを創っていきたいですね」。注目すべき、新星の登場です。

店舗情報

名称:Mori Yoshida/モリ・ヨシダ
住所:65 av. de Breteuil 75007 Paris
電話:01.47.34.29.74
営業時間:9:30〜18:30(火〜土)、9:30〜16:30(日)
定休日:月曜日
http://moriyoshida.fr/

プロフィール

伊藤文(いとうあや):料理ジャーナリスト 1993年渡仏。コルドンブルー料理学校パリ校卒業後、フランスの食文化を掘り下げる取材を重ねる。 著書に『フランスお菓子おみやげ旅行』、訳書に『招客必携』、『ロブション自伝』など多数。

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