
日本三古湯の一つに数えられ、豊臣秀吉も愛したという由緒ある「有馬温泉」。
関西の奥座敷として、その名は全国に轟いています。
しかし、その輝かしい評判とは裏腹に、口コミサイトには「期待外れだった」「情緒がない」といった、少し辛口な評価が散見されるのも事実です。
一体なぜ、これほどまでに評価が分かれてしまうのでしょうか?
その謎を解くべく、実際に訪れた人々のリアルな口コミを徹底的に調査。
すると、多くの観光客が“表の顔”だけを見て帰ってしまい、迷路のように入り組んだ“本当の魅力”を見過ごしているという、驚きの事実が明らかになりました。
「期待外れ…」の声も。多くの人が見る“表の顔”と、その理由
まず、有馬温泉に「がっかりした」という人が見ていた景色。
それは、バス停や主要な道路沿いに広がる光景でした。
「もう少し情緒があると思いましたが道後温泉、下呂温泉、城崎温泉、草津温泉、程ではなくガッカリしました。」
「有馬川沿いに鉄筋コンクリート造のホテルが建ち並び、歴史ある温泉という雰囲気はない。」
バスや車で到着した際に多くの人が目にするのは、近代的な大型旅館やホテルが立ち並ぶエリア。
ここだけを見ると、「想像していた風情ある温泉街と違う…」と感じてしまうのも無理はないかもしれません。
しかし、実はこれ、有馬温泉のほんの一部分に過ぎなかったのです。
評価を覆す“本当の魅力”は「裏道」にあり。迷路のような路地歩きの楽しさ
では、有馬温泉を絶賛する人々は、一体どこを歩いているのでしょうか?その答えは、口コミの中で熱っぽく語られていました。
「そこだけが温泉街でなくて、大通りの裏道に広がる温泉街。両側にびっちりと商店が軒を並べる。軽四がやっとの細い坂道。尾道の様な坂と階段の風情のある街。」
「町歩きが楽しい。お団子屋さんがあったり、工芸品店があったり。」
そう、有馬温泉の真価は、メインストリートから一本入った「裏道」にこそありました。
「湯本坂」を中心としたエリアには、車一台がやっと通れるほどの細い坂道が迷路のように張り巡らされ、その両脇には趣のある土産物店や飲食店、昔ながらの旅館が軒を連ねています。
この入り組んだ路地を散策することこそが、有馬温泉の最大の醍醐味なのです。
驚くべきことに、口コミでは「日本の若者が沢山居る」「おしゃれな店が多い」という声も。古き良き風情と、現代的なセンスが融合したこの“裏の顔”を知らずして、有馬温泉は語れません。
もちろん主役は“金と銀の湯”。日本三古湯の実力
そして、温泉街散策と共に欠かせないのが、有馬温泉が誇る二つの名湯、「金泉」と「銀泉」です。
「空気に触れると赤っぽい色になるという『金泉』も、透明な『銀泉』も、両方楽しみました。」
「金泉は見るからに、銀泉は見た目以上に、泉質がしっかり効いています。」
鉄分と塩分を含み、空気に触れると赤褐色に濁る「金泉」と、無色透明の炭酸泉である「銀泉」。
この全く異なる泉質を一つの温泉地で楽しめるのは、非常に珍しく、有馬温泉が日本三古湯として長く愛され続ける理由の一つです。
「金の湯」「銀の湯」という二つの外湯(共同浴場)で、気軽にその効能を体感することができます。
【唯一の注意点】口コミが警告する、想像以上の“坂道地獄”
しかし、この魅力的な温泉街を最大限に楽しむためには、一つだけ覚悟しておくべきことがあります。
それは、想像以上の「坂道」です。
「そこで驚くのは、坂道の多さとものすごい斜度。とにかく急坂ばかりで、昇るのに一苦労だ。」
「有馬温泉地域の平坦部分は、MAP上で有馬温泉観光協会から阪急バス有馬案内所までの50mぐらいと思ってください。あとはとにかく坂、坂、坂。」
六甲山の山間に位置するため、平坦な道はほぼ皆無。温泉街の散策は、常に急な坂道の上り下りを伴います。
「歩きやすい靴」は必須。足腰に自信のない方は、無理のない計画を立てることが重要です。
まとめ:“裏の顔”を知れば、最高の温泉街に変わる
有馬温泉。そこは、“表の顔”だけを見ると少し物足りないけれど、一歩“裏の顔”に足を踏み入れると、迷路のような路地歩きと二つの名湯が待っている、奥深い場所でした。
「ガッカリした」という感想は、この温泉街が持つ本当の魅力に、まだ出会えていないだけなのかもしれません。次に訪れる際は、ぜひ勇気を出して細い路地に迷い込み、あなただけの“最高の有馬”を見つけてみてはいかがでしょうか。