
スーパー戦隊ロボの売り上げ低迷は時代の変化とビジネスモデルの差か
長きにわたり、日曜朝の子供向け特撮番組として人気を二分してきた「スーパー戦隊シリーズ」と「仮面ライダーシリーズ」。しかし、近年この両シリーズの間で、関連玩具の売り上げに約4倍もの大きな差が生じていることが話題となっています。特に、スーパー戦隊シリーズの代名詞とも言える「合体ロボ」の売り上げが低迷している背景には、単なる子供の嗜好の変化だけでなく、現代のエンターテイメント市場が抱える構造的な問題が横たわっているようです。
スーパー戦隊シリーズの玩具売り上げ(2025年3月期:54億円)は、仮面ライダーシリーズ(2025年3月期:225億円)と比較して大きく水をあけられています。さらに、同社の「プリキュアシリーズ」の78億円にも及ばず、特撮ヒーロー番組としては厳しい状況にあります。
かつてスーパー戦隊の「合体ロボ」は、子供にとって最強の憧れの象徴であり、番組のクライマックスを彩る重要な存在でした。しかし、現在では「ヒーローごっこ」の相対的な地位が低下し、少子化やエンターテイメントの多様化によって、市場のパイ自体が縮小しています。
SNSでは様々な意見が寄せられています。
「やっぱり少子化が一番の原因だろう。子供の絶対数が減っているんだから」
「昔は合体ロボの複雑なギミックに憧れたけど、今はスマホやゲームで充分刺激的なんだろうな」
「変身アイテムが主体で、なりきり遊びがすぐにできる仮面ライダーの方が、親も買いやすいし、子供も遊びやすいのかもしれない」
「ロボがどんどん複雑化して、親も子供もついていけなくなったんじゃないか」
「戦隊ロボは高額なイメージが強いから、単価の安い変身ベルトに負けちゃうのかな」
仮面ライダーの変身ベルトは、毎年デザインは変わるものの、基本的な「なりきり遊び」という体験は普遍的です。さらに、連動アイテムを次々と発売することで、一つ一つは比較的安価に、かつ継続的に購入を促すことが可能です。これは現代の「ガチャガチャ」や「ソシャゲ」の課金モデルにも通じる、細く長く商品を展開する戦略です。
一方で、スーパー戦隊の合体ロボは、番組に登場するロボをすべて揃えると高額になる上に、基本的に「一年で買い替え」を迫られる構造です。
かつてはそれでも許容されていましたが、可処分所得が減少し、エンタメの選択肢が爆発的に増えた現代において、この太く短い購買モデルは、市場のニーズと合致しなくなってきたのかもしれません。














