「今日中に全部お願いね」笑顔での丸投げ
職場には、表の顔と裏の顔を巧みに使い分ける人がいます。
私が悩まされていたのは、まさにそんなタイプの先輩でした。
入社以来、私は同じ部署の先輩から、当たりが強い態度を取られ続けてきました。
自分の担当であるはずの細かい雑用や、面倒な案件をいつも私に押しつけてくるのです。
それなのに上司の前では別人のようにニコニコと振る舞うため、周囲には「面倒見の良い優しい先輩」だと思われていました。
理不尽な注意を受けても、誰にも相談できずにモヤモヤを抱える日々。
そんなある日、ついに限界を感じる出来事が起きました。
その日、先輩は大量の資料を私のデスクに置き、いつものように笑顔で言いました。
「これ、今日中に全部終わらせておいてね」
それは本来、先輩が自分で行うべき業務でした。
私の手元には、すでに自分の担当分が山積みになっています。いつもなら飲み込んでしまう言葉でしたが、この時は違いました。
「今日は自分の担当業務で手一杯なので、これは先輩の仕事ですよね?」
静かに、でもはっきりと伝えました。
先輩は一瞬驚きつつも、すぐにいつものように「でも君の勉強のためだと思って……」と言い訳を始めました。
しかし、事態は思わぬ方向へ動きます。
予期せぬ救世主と、仲間の声
ちょうどその時、二人のやり取りを背後で聞いていた上司が通りかかりました。
「この仕事は君の担当だろう。新人に押し付けるのはやめなさい」
上司の毅然とした指摘に、先輩は顔を真っ赤にして黙り込みました。
驚いたのはそれだけではありません。周囲で様子を伺っていた他の同僚たちからも、「実は私も押し付けられて困っていました」「それはやりすぎだと思います」と、次々に声が上がったのです。
先輩の振る舞いに違和感を抱いていたのは、私だけではありませんでした。
あの日を境に、職場の空気は驚くほど澄み渡っていきました。
先輩が私に無理難題を押し付けることは一切なくなりました。
重苦しかった部署内の雰囲気も、今では嘘のように和やかです。
同僚たちとのコミュニケーションも自然と活発になり、ちょっとした雑談から仕事のヒントが生まれるような、心地よい環境に変わりました。
何より一番の変化は、私自身の心の中にありました。
誰かの顔色を伺うのではなく、自分の本来の業務にまっすぐ向き合えるようになったことで、失いかけていた仕事への自信を少しずつ取り戻すことができたのです。
「言うべきことは伝えていいんだ」という実感が、今の私の背中を優しく押してくれています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














