tend Editorial Team

2026.05.22(Fri)

「枠は2つ、候補は3人だ」部長から告げられた昇格レース→アピールしなかった同期と後輩に決まった本当の理由

「枠は2つ、候補は3人だ」部長から告げられた昇格レース→アピールしなかった同期と後輩に決まった本当の理由

部長から告げられた候補3人

昇格までの道のりが長い部署に、もう何年も腰を据えていた。

期初の朝、直属の部長から呼ばれて、応接室の白いテーブルに向かい合ったときのこと。

「枠は2つ、候補は3人だ」

部長は手元のメモを広げて、淡々と告げた。

私と、入社年次が同じ同期、そして半年前に他部署から配属された後輩。

3人で2枠を争う構図になったと続けて説明する。

「君は積極的にアピールしてくれてるから、期待してるよ」

その一言を支えに、その日から週次の業務報告を欠かさず提出した。

現場で気づいた改善案も月に何度も持ち込み、会議では真っ先に手を挙げた。残業して翌日の段取りを整えてから帰る夜も、当たり前になっていた。

同期は無口で、頼まれた仕事を黙々とこなすタイプだ。

後輩は外回りばかりで、フロアにいる時間が短く、改善提案の類はほとんど出してこない。アピール量で差をつけられるはず、と信じていた。

部長の机に書類を置きに行くたび、「ありがとう、目を通しておくよ」と短く返ってくる。

その軽い受け答えが、確かな手応えに思えた。

通った2人と通らなかった私

昇格発表の朝、会議室の長机には部長と3人が並んだ。

読み上げられたのは、同期と後輩の2人だけ。私の名前は、紙の最後まで現れなかった。

「お疲れさん。引き続き頼むよ」

部長は淡々と紙を畳んだ。

表情には、何のためらいもない。

隣に座る同期と後輩も、まるで結果を知っていたかのように驚いていなかった。

後日、本社にいる先輩がランチの席で教えてくれた。

同期は派手なアピールをしないが、長年の積み重ねで上司受けがよく、評価がもともと高かった。

後輩は元の部署から「なぜまだ昇格させないのか」と圧力が来ていて、今期は通すことが事前に決まっていたのだという。

(じゃあ僕の毎日の報告は、なんだったんだ)

胸の奥でつぶやきが消えた。怒鳴り込みたい相手もいないし、抗議できる場所もない。

決まっていた答えに向かって、ただ報告書を提出させられていたのだと悟った瞬間、肩から力が抜けていく感覚があった。

努力で席を取りに行けると思っていたのに、席はもう誰かのために用意されていた。それでも辞めるわけにはいかず、報告の頻度を半分に落として、また同じ机に座り続ける。

何かが胸に残ったまま、今日も惰性で改善案のメモを取っている。報告書を出さなくなっても、誰の機嫌が変わるわけでもない。そのこと自体が、いちばん答えだった気がしている。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.06(Tue)

「この店は高すぎる、もっとサービスしてよ」スーパーで値切り続けた男性。だが、責任者が示した二つの選択肢とは
tend Editorial Team

NEW 2026.10.06(Tue)

「責任者を呼べ!写真詐欺だろ!」ソースに怒鳴る男性客へ、近くの席の私がメニューの隅から示したものとは
tend Editorial Team

NEW 2026.10.06(Tue)

「朝から交差点に立つの?時間がある人はいいわね」見守り活動を笑ったママ友。だが、全校集会で目をそらした瞬間
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.03.21(Sat)

RIZINファイターがBreakingDownの土俵で沈む衝撃の結末。芦澤竜誠が井原良太郎に喫した2回KO負けの波紋
tend Editorial Team

2026.03.20(Fri)

おぎやはぎ・矢作「週に2回しか働かない。それでとんでもない金額のギャラ」と大御所芸人の収入事情を告白→「さすが大御所」「...
tend Editorial Team

2025.12.22(Mon)

「核保有の方が現実的じゃない」「他国に任せるのはやめよう」と賛否両論。デヴィ夫人、日本の核保有議論に「抑止力になる」と持...
tend Editorial Team