「そんなに払ってまで買う?」映画館の売店で私を批判した彼。上映後、空になった箱を見せると黙り込んだ
映画館の売店で始まった彼の文句
付き合っている彼と、久しぶりに映画館へ出かけた日のことです。
上映前に売店へ寄ると、彼はメニューをしばらく眺めたあと、首を振りました。
「何もいらない」
私は映画を見ながら食べたかったので、ポップコーンと飲み物を注文しました。
ところが、店員さんから商品を受け取ったところで、隣にいた彼が口を開いたのです。
「飲み物だけでこんなにするんだ」
「まあ、映画館だしね」
軽く返したのですが、彼はまだ値段が気になるようでした。
「普通のお店で買えば、もっと安いのに」
「そうだけど、今日はいいかなと思って」
すると彼は、私の持っているカップとポップコーンを見比べて言いました。
「俺には分からないな。そんなに払ってまで買う?」
自分のお金で買っているのに、そこまで言わなくてもいいのではないでしょうか。
後ろに並んでいた人もこちらを見ていて、私は少し恥ずかしくなりました。
これ以上売店の前で言い合うのも嫌だったので、何も返さずに入場口へ向かいました。
上映中、隣から何度も伸びてきた手
客席に着くと、私はポップコーンを膝にのせ、飲み物を彼との間のホルダーに置きました。
映画が始まってしばらくしたころ、膝の上の箱がかすかに動きました。
横を見ると、彼がポップコーンをつまんでいたのです。
少しくらいならいいかと思い、そのままにしていました。
ところが、彼はスクリーンを見ながら何度も手を伸ばしてきます。
さっきはあんなに文句を言っていたのに…。
さらに驚いたのは、彼が私の飲み物まで持ち上げたことです。
何も言わずにストローへ口をつけ、一口飲むと、そっとホルダーに戻しました。
私は思わず彼の顔を見ましたが、本人は映画に集中している様子です。
上映中に注意するのも周りの迷惑になると思い、結局何も言えませんでした。
映画が終わり、場内が明るくなったころには、ポップコーンの箱には小さなかけらがいくつか残っているだけでした。
席を立ちながら、彼が言いました。
「映画は面白かったな。でも、売店はやっぱり高いよね」
その言葉に、私は思わず彼を見ました。
「でも、私のポップコーン、ずいぶん食べたよね」
そう言って、ほとんど空になった箱を彼に見せました。
彼は箱の中を見て、一瞬黙りました。
「いや、ちょっともらっただけじゃん」
「飲み物も飲んでたでしょ」
彼は何か言いかけましたが、結局口を閉じました。
通路を通りかかった年配の男性が、私たちのやり取りに気づいたのか、箱を見て小さく笑いました。
彼は気まずそうに視線をそらしています。
私はそれ以上何も言わず、出口のゴミ箱に箱を捨てました。
値段が高いと思うのは自由です。でも、人が買ったものに散々文句を言っておきながら、何も聞かずに食べたり飲んだりするのは違うと思います。
帰り道、彼はもう値段の話をしませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














