「勝手に雪を置かれると困るんだよ」私道の雪で隣人から苦情。だが、近所の女性が指摘した矛盾
雪の置き場をめぐって隣人とトラブルに
数年前、雪の多い地域でアパート暮らしをしていたころのことです。
アパートの前には、近所の何軒かで共有している私道がありました。
冬になると大量の雪が積もり、雪の置き場に困ることがよくありました。
まとまった雪が降ると、アパートの敷地内だけでは置ききれません。
幸い、私道の途中には地下水で雪を溶かす設備がありました。
私は通行の邪魔にならないよう気をつけながら、水が届く場所へ少しずつ雪を運んでいました。
ところが、隣の戸建てに住む年配の男性は、それが気に入らない様子でした。
ある朝、私が雪を運んでいると、男性が家から出てきました。
「また雪を運んでるのか」
男性は大きなため息をつくと、そのまま家に戻っていきました。
そして次に雪が積もった朝、今度はスコップを持って出てきたのです。
「ちょっと、そこに雪を置かないでもらえる?」
「水で溶けるところに運んでいるんですけど…」
「でも、ここは道だからね。勝手に雪を置かれると困るんだよ」
「すみません。アパートの敷地には、もう置く場所がなくて……」
「それは分かるけど、こっちだって困るんだから」
男性は納得していない様子でした。
私も道をふさぎたいわけではありません。ただ、ほかに雪のやり場がなく、どうしたらいいのか分からなくなってしまいました。
近所の女性が指摘したこと
それから別の朝、また雪が積もりました。
私がいつものように雪を運んでいると、男性が玄関から出てきました。
「またそこに運んでるの?前にも言ったよね」
今度はかなり大きな声です。
「すみません。でも、ここなら水で溶けるので……」
「だから、道に雪を置かれると困るって言ってるんだよ」
私が返事に困っていると、近所に住む年配の女性が私道を歩いてきました。
女性は私たちの前で立ち止まり、男性の家の前を指さしました。
「お宅の雪も、道に出てますよね」
そこには、男性の背丈を超えるほどの大きな雪の山がありました。私道に大きくはみ出しています。
男性は少し驚いた様子で答えました。
「あれは屋根から下ろした雪だから。仕方ないだろう」
「そうですよね。雪が多いと、置く場所がなくて困りますよね」
女性は一度うなずいてから、続けました。
「でも、それはこの方も同じじゃないですか。通れなくなるのは困りますけど、この方だけに雪を置くなと言っても……」
男性は何か言いかけましたが、そのまま口を閉じました。
女性はさらに言いました。
「せっかく雪を溶かせる場所があるんですし、みんなでうまく使う方法を考えませんか」
男性は自分の家の前に積まれた雪を見て、しばらく黙っていました。
向こうで雪かきをしていた人たちも、こちらを見ていました。
結局、男性はそれ以上何も言わず、家の中へ戻っていきました。
その冬から、私道の雪は近所で順番を決めて溶かすことになりました。男性が私に怒鳴ることもなくなりました。
雪が積もった朝、私はあのとき声をかけてくれた女性と並んでスコップを動かしました。
雪の置き場に困ること自体は変わりません。それでも、みんなで使う道だからこそ、お互いの事情を考えることが大切なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














