「薄いわね、息子がかわいそう」嫁のカレーに醤油を入れた義母。だが、夫の一言で義母の態度が一変
3年間、言い返せずにいた
義母との関係は表面上は穏やかだった。ただ、会うたびに料理への注文が飛んできた。
「あなたの味付けは薄すぎるのよね」「息子にはもっとしっかり食べさせないと」。
冗談交じりのトーンで言われるから、毎回やり過ごしてきた。
夫の健康診断で数値が出てから、塩分には気をつけるようにしていた。そのことを義母に話したこともあったが、「ちゃんと食べさせてあげないと」と返されるだけだった。
3年が経っても状況は変わらず、義実家に行くたびに少し気が重かった。何か言い返せればよかったのかもしれないが、角を立てることへのためらいが先に来て、いつも飲み込んでしまっていた。
その週末、義実家に家族が集まることになり、私は大鍋でカレーを仕込んで持っていった。煮込み時間を長くとって、仕上がりには自信があった。これを食べてもらえれば喜んでもらえると、ひそかに楽しみにしていた。
義母の手が鍋に伸びた瞬間
食卓に出した直後、義母がスプーンで味を確かめた。眉間にしわが寄り、何も言わずに立ち上がって台所へ向かう。
戻ってきた手にはカレーと醤油があった。
断る間もなく、義母が手を出した。グルグルとかき回しながら、こちらを見もせずに言い切った。
「薄いわね、息子がかわいそう」
整えた味が崩れていくのが分かった。声が出ないまま、手だけが小さく震えた。鍋は義母の手で勝手に仕上げ直されていく。
そのとき、夫が静かに箸を置いた。穏やかな声で、それでもはっきりと言った。
「母さん、もうやめてくれ。僕は妻の味付けで十分だし、塩分を気にしてくれているのも僕の体のためなんだ。健康診断で数値が出てから、ずっと気を遣ってくれてる。3年、母さんの口出しを聞き流してきたけど、もう限界だ」
義母の顔がみるみる赤くなり、すぐに青ざめていった。ルーを握ったまま何も言い返せず、静かに台所へ戻っていった。夫があそこまではっきり言葉にしたのは、3年間で初めてのことだった。
食卓に戻ってきた静けさ
その後の食事の間、料理に関する言葉はひとつも出なかった。義母は黙って自分の皿に向かっていた。食卓の空気はいつもより少し静かだったが、変な重さはなかった。
帰り道、夫が「ごめんな、もっと早く言うべきだった」とつぶやいた。謝らなくていいと思いながら、目が少し熱くなった。
以来、義実家で私の料理に手を加えられることはなくなった。自分から一言出せたこと、夫が即座に続いてくれたこと。そのふたつが重なったあの日のことを、今も思い出すことがある。義母との関係が一変したわけではないけれど、ひとつ踏み出せた瞬間だったと思っている。あの日から、義実家への足取りが少し軽くなった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














