「使えないなお前」職場で詰められ玄関で泣いていた妻。半年後、上司が異動した夫の助言とは
泣きながら帰ってきた妻
その日、妻は玄関で靴も脱がないまま泣いていた。
会社で何があったのかと聞くと、上司の言葉を絞り出すように口にした。
「使えないなお前」
同僚の前で、書類のミスを理由にそう吐き捨てられたのだという。
しかもそれは初めてではなく、ここ数か月ずっと続いていたらしい。
妻は真面目で、仕事を家に持ち帰ってでも仕上げるタイプだ。
その妻が「自分はだめな人間なのかもしれない」と口にするのを聞いて、さすがに黙っていられなくなった。
「悪いのはお前じゃない。それはただのパワハラだ」そう言っても、妻は力なく首を振るだけだった。
証拠を残せと伝えた
翌朝、出かける妻を玄関で呼び止めて、私は一つだけ頼んだ。
「その暴言、毎回録音しとけ」
気休めの慰めより、この方がずっと妻を守れると思ったからだ。
何を言われたか、いつ言われたか。証拠さえあれば会社は動かざるを得ない。
妻は半信半疑ながら、スマートフォンの録音アプリを使い始めた。
上司が怒鳴りだすたび、ポケットの中でそっと録音ボタンを押していたそうだ。
数週間で、音声は何十件にもなった。
「使えない」「給料泥棒」「辞めれば」。
暴言のオンパレードが、そのまま記録に残っていった。
「これだけあれば、もう黙って耐えなくていいよね」
妻の声に、少しずつ張りが戻ってきた。
半年後に訪れた逆転
妻は録音データを整理し、人事部へ相談に踏み切った。
イヤホンから流れる上司の声に、担当者は言葉を失ったという。
調査が入り、上司は事情を聞かれた。
「厳しく指導しただけだ」と言い逃れようとしたが、自分の怒鳴り声を再生されると、みるみる青ざめた。
反論しかけて口を閉じ、最後はうなだれるしかなかったそうだ。
半年後、その上司は地方の部署へ異動が決まった。
妻のチームの空気は明るくなり、後輩たちからは「よく声を上げてくれました」と感謝されたらしい。
異動が決まった日、廊下で会ったその上司は、妻に一言も発せず目を伏せて通り過ぎたという。
あの夜、泣いていた妻はもういない。
「記録が私を助けてくれた」と、今は胸を張って会社に通っている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














