「きゃっ…何?今、足に何か触った?」電車で突如驚く女性。だが、向かいに座っていた乗客の一言で空気が一変
息子が座ろうとした瞬間、隣から声が上がった
休みの日の午後、家族で電車に乗っていたときのことです。
車内は少し混んでいて、立っている人もいました。私と夫は立ったままでいいから、四歳の息子だけでも座らせようと思っていました。
ちょうど一席空いていたので、私は息子をそこへ座らせようとしました。
すると、隣で目を閉じていた高齢の女性が突然、驚いたように顔を上げました。
「きゃっ……何?今、足に何か触った?」
女性は足元を見ながら、少し慌てた様子でした。
息子も突然の声に驚き、私の顔を見ています。座ろうとしたときに服や体が少し近づいたのかもしれませんが、私にも何が起きたのかは分かりませんでした。
「すみません」
私はとっさにそう言って、息子の手を取りました。
少し離れたところには夫が立っています。いったん息子を立たせて、そちらへ連れていこうと思いました。
向かいの人が、見ていたことを口にした
そのとき、向かいの席に座っていた人が口を開きました。
「お子さん、今ここに座ろうとしただけですよ」
女性を責めるような言い方ではありませんでした。こちらの様子を見ていて、目の前で起きたことを短く伝えてくれただけでした。
女性は息子を見ると、少し表情をゆるめました。
「あら、そうだったの。ごめんなさいね、びっくりして」
「いえ、大丈夫です」
私もそう返しました。
息子はまだ少し戸惑った顔をしていました。私は無理にもう一度座らせることはせず、そのまま自分のそばに立たせました。
女性もそれ以上何も言わず、電車はそのまま走り続けます。少し前までこちらに向いていた周囲の視線も、いつの間にかそれぞれの場所へ戻っていました。
しばらくして降りる駅が近づき、私たちは扉のそばへ移動しました。
あのとき私は、何が起きたのかよく分からないまま、反射的に謝っていました。息子をその場から離したほうがいいのか、それとも何か説明したほうがいいのか、自分でも判断できていなかったと思います。
そんなとき、向かいの人が見ていたことを一言伝えてくれました。
大げさに私たちをかばったわけでも、女性を注意したわけでもありません。ただ、「自分にはこう見えた」と伝えてくれただけです。
それでも、その一言があったことで、必要以上に気まずい空気にならずに済みました。
電車を降りてから、見ていた人が静かに口を開いてくれたことが、ありがたかったなと思いました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














