「ここじゃないの?私、急いでるんだけど」順番を飛ばそうとした客。だが、店員が譲らなかった結果
次の人が進もうとした、そのとき
休日の朝、スーパーへ買い出しに行ったときのことでした。開店から間もない時間でしたが、レジにはすでに何人かのお客さんが並んでいました。
その店では、レジの手前に一列で待ち、空いたところへ先頭の人から順番に進むようになっていました。
床には待つ位置を示す線もあり、私も列の後ろについて順番を待っていました。
しばらくすると、一つのレジで会計が終わりました。列の先頭にいた人がそこへ向かおうとした、まさにそのときです。
横から買い物かごを提げた女性が現れ、そのまま先にレジ台へかごを置いたのです。
進もうとしていたお客さんは思わず足を止めました。
後ろにいた私たちも顔を上げましたが、すぐに声をかける人はいませんでした。
女性が並び方に気づいていないだけなのか、それとも急いでいるのかは分かりません。ただ、自分から注意して言い合いになるのも嫌で、私も黙って様子を見ていました。
すると、そのレジを担当していた若い男性店員が、女性に声をかけました。
店員が示したのは、列の最後尾でした
「恐れ入りますが、皆さま順番にお待ちですので、最後尾からお願いいたします」
店員は声を荒らげることなく、待っている列のほうへ手を向けました。
女性は少し驚いたように振り返りました。
「ここじゃないの?私、急いでるんだけど」
「申し訳ありません。こちらは一列でお待ちいただいて、順番にご案内しています」
店員がそう説明すると、女性は並んでいる人たちのほうを見ました。
「ちょっとだけでも駄目?」
「皆さまお待ちですので、お願いいたします」
返事は変わりませんでした。強い言い方ではありませんが、先に会計をするつもりもないことは十分伝わります。
女性はしばらくその場に立っていましたが、やがて小さく「分かったわ」と言うと、かごを持ち直して列の最後尾へ向かいました。
店員はすぐに、先ほど進もうとしていたお客さんへ「お待たせしました」と声をかけ、会計を始めました。
それだけのやり取りでしたが、止まっていた列はまた静かに動き始めました。
私の番になったときも、店員は何事もなかったように接客していました。相手を責めるのではなく、店の並び方を説明して、それでも順番だけは崩さない。その落ち着いた対応が印象に残った朝でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














