tend Editorial Team

2026.09.02(Wed)

「俺がいつでも助けに行ったるからな」強面の常連客。だが、帰り際の冗談に思わず笑った瞬間

「俺がいつでも助けに行ったるからな」強面の常連客。だが、帰り際の冗談に思わず笑った瞬間

少し話しかけにくかった常連客

五十を過ぎた今でも、ときどき思い出す出来事があります。まだ私が二十代で、窓口の受付をしていたころの話です。

その窓口には何人か常連のお客様がいました。

その中に、同僚たちからも「ちょっと話しかけにくいね」と言われている男性がいました。

背が高く、がっしりとした体格で、眉も太く、黙っていると少し怖く見える方でした。私も最初のころは、その人が窓口に来ると少し緊張していました。

「これ、記帳頼む」

いつも用件は短く、それ以上ほとんど話しません。ただ、実際に接してみると、乱暴なところはまったくありませんでした。

手続きの確認に時間がかかってしまったときも、急かすことなく待っていてくれます。

「慌てんでええよ」

そんな一言をかけてもらったこともあり、私は次第に、見た目ほど怖い人ではないのだと思うようになりました。

帰り際に呼び止められた朝

ある朝も、その人はいつものように窓口へやってきました。

私は預かった通帳の手続きを済ませ、「お待たせしました」と返しました。男性は通帳を受け取ると、そのまま帰るのだと思いました。

ところが数歩進んだところで足を止め、こちらを振り返ったのです。

「ついでに言うが」

私は何か確認し忘れたのかと思い、思わず姿勢を正しました。

すると男性は真顔のまま、こんなことを言いました。

「あんたがもし、どこかに閉じ込められて出られんようになったら、俺がいつでも助けに行ったるからな」

あまりに突然の言葉で、私は一瞬、何と返せばいいのか分かりませんでした。

なぜ「閉じ込められる」という話になったのかは、今でも分かりません。

冗談だったのか、その人なりに励ましてくれたのか、それも聞けないままでした。

男性は小さくうなずくと、そのまま何事もなかったように帰っていきました。

少し遅れて、私はその背中に「ありがとうございます!」と声をかけました。

やり取りを聞いていた隣の同僚と顔を見合わせると、二人とも思わず笑ってしまいました。

最初は怖そうに見えていた人から突然もらった、不思議で、どこか温かい一言。何十年たった今でも忘れられない、窓口での思い出です。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.02(Wed)

「写真を記念に撮って処分したい」「捨てることなんてできない」結婚祝いを巡る夫婦の対立、1年後の行方
tend Editorial Team

NEW 2026.09.02(Wed)

「都内から新幹線乗ればギリギリ間に合うんじゃない?」最終便が欠航…翌朝出社の女性が選んだ帰宅ルート
tend Editorial Team

NEW 2026.09.01(Tue)

「お前じゃない、さっさと呼べと言っただろう」電話で用件を言わない男性。だが、院長が電話に出ると、相手の態度が一変
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.06.21(Sun)

国会での切り取り答弁に小泉進次郎防衛相が不快感。自衛隊行事の強制性を巡る議論でネット上からは野党への厳しい批判の声
tend Editorial Team

2025.09.13(Sat)

「なんで契約切られたんだろ??」ジェニーハイ、突然の契約終了発表&今後の活動は未定。ファンからは動揺の声広がる
tend Editorial Team

2026.08.02(Sun)

「押しかけるのは、やめてくれ」職場にまで来ていた元恋人。直接会って、本音をぶつけた結果
tend Editorial Team