「こっちは98円なのに、なんで?」精肉売り場で値段を疑う客。だが、私が見せた表示とは
店長がいない日に呼ばれた売り場
4年ほど前、私はスーパーの精肉売り場でパートをしていました。
その日は店長が休みで、売り場を担当しているのは私一人。品出しや商品の確認をしながら、いつもより少し気を張って仕事をしていました。
昼を過ぎたころ、レジのアルバイトさんが作業場までやってきました。
「すみません。お客さんが、精肉の値段について聞きたいそうなんです」
何か表示を間違えただろうかと思いながら売り場へ出ると、男性のお客さんが二つの商品を指していました。
「こっちは100グラム98円なのに、小さいパックは108円になってるよね。なんで?」
見ると、大きいパックのほうはその日のサービス品でした。量を多く買ってもらう代わりに、100グラムあたりの価格を安く設定していたのです。
「大きいほうは、今日はサービス品になっているんです」
そう説明しましたが、お客さんは納得できない様子でした。
「でも、普通は量が多いほうが高くなるんじゃないの?」
「パック全体のお値段は高くなります。ただ、100グラムあたりではこちらがお安くなっています」
何度か説明しても、どうも話がかみ合いません。
値札を指して、もう一度だけ説明した
私は一度商品棚の前へ戻り、大きいパックと小さいパックの値札を並べて示しました。
そこにはそれぞれ、「100グラム98円」「100グラム108円」と表示されています。
「こちらは量を多く入れたサービス品なので、まとめて買うほうが、100グラムで10円お安くなります」
そう伝えると、お客さんはしばらく二つの値札を見比べていました。
「ああ…そういうことね。多いのを買うとお買い得なのね」
さっきまでの強い口調が少しだけやわらぎました。
「分かりにくかったなら、すみません」
私がそう返すと、お客さんは「いや、分かったよ」と言い、そのまま売り場を離れていきました。
大きな言い争いになったわけでも、誰かが間に入ってくれたわけでもありません。
それでも、店長がいない日に一人で対応したこともあり、私はしばらく「あの説明でよかったのかな」と気になっていました。
翌日、店長に確認して分かったこと
翌日、出勤してきた店長に前日のことを伝えました。
「大きいパックと小さいパックの単価について聞かれて、サービス品だから安いと説明したんですけど……あれで大丈夫でしたか?」
店長は売り場の表示を確認してから言いました。
「うん、それで大丈夫。ちゃんと100グラムあたりの値段も出てるから」
その言葉を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。
接客をしていると、こちらには当たり前の表示でも、お客さんには分かりにくいことがあります。
だからこそ、相手が何を見て疑問に思っているのかを確かめて、一つずつ説明することが大事なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














