tend Editorial Team

2026.07.06(Mon)

「今日も一日中うるさい」隣家から3ヶ月鳴り続けた布を叩く音。だが、今までの記録を管理会社にぶつけた結果

「今日も一日中うるさい」隣家から3ヶ月鳴り続けた布を叩く音。だが、今までの記録を管理会社にぶつけた結果

終わらない乾いた音

その日も、朝からあの音が始まっていた。

パン、パン、と何かを叩く乾いた音が、斜め向かいの家から絶え間なく響いてくる。

最初は数日でおさまるだろうと軽く考えていた。ところが、その音は一週間たっても、二週間たってもやむ気配がなかった。

「今日も一日中うるさい」

思わず口に出た。

ビニール袋か布か、正体は分からない。

ただ、その音はいつ始まっていつ終わるのか、まるで見当がつかなかった。

「耳栓しても、振動みたいに響くのよ」

友人に電話でこぼすと、深刻さが伝わったのか、真剣に相談に乗ってくれた。

「それ、細かく記録を残すのが一番だよ」

眠りも、仕事への集中も、少しずつ削られていく。このままでは自分がまいってしまう。そう感じた私は、行動に移すことにした。

感情ではなく事実で動かす

「怒鳴り込んでやろうかとも思った」

でも、感情的にぶつかれば、こじれて長引くだけだと自分に言い聞かせた。

相手の事情も、こちらには分からないのだから。

私が選んだのは、事実を積み上げる方法だった。音が鳴り始めた時刻、続いた時間、その日の様子。

カレンダーに毎日書き込み、ときには音そのものを録音した。

数字と時刻が並んだノートは、日に日に厚みを増していった。一枚めくるごとに、これは決して私の思い込みではないと確信できた。

「これ、今までの記録です」

三か月分のメモと音声を手に、私は地域の相談窓口と住まいの管理会社に足を運んだ。

担当者は資料に目を通すと、ゆっくりうなずいた。

「これだけそろっていれば、正式に間へ入れます」

その言葉に、ずっと張り詰めていた肩の力が抜けた。

「もっと早く相談すればよかった」

一人で抱え込んでいた時間が、ふいに惜しく感じられた。

窓口と管理会社は連携し、相手の家へ穏やかに事情を確認してくれた。何があったのかは、こちらには知らされなかった。それでも、対応が始まってしばらくすると、あれほど続いていた音がすっと消えた。

音が消えてからも、しばらくは体が身構えていた。けれど何日たっても、あの乾いた音が戻ってくることはなかった。

数日、耳を澄ましても、聞こえてくるのは鳥の声だけだった。

「静かって、こんなに気持ちいいんだね」

夫の一言に、私は思わず笑ってしまった。感情をぶつけるのではなく、記録という事実で一つずつ前に進めたこと。それが、長い悩みを解く鍵だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.17(Thu)

「え、あれって奢りじゃないの?」1,000円を立て替えて1か月後、ママ友の返事に言葉を失った私
tend Editorial Team

NEW 2026.09.17(Thu)

「店長も知ってると思ってました」同僚から聞いた女性スタッフの話。匿名メッセージとつながった違和感
tend Editorial Team

NEW 2026.09.16(Wed)

「5千円もしたのに」香水の匂いが残る服を返品しようとした女性。店長が譲らなかった理由
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.08.30(Sat)

【画像】ネットミーム、ついに国境を越える。タイの街角に貼られたおなじみの猫が、投稿者も思わず笑ってしまう一枚に!
tend Editorial Team

2026.07.12(Sun)

「今から行くわけないだろ!」深夜にベランダで大声で電話する隣人。だが、強面の住人の一喝で態度が一変
tend Editorial Team

2026.07.19(Sun)

「俺、休みの日は子ども見てるからさ」イクメンアピールする夫。だが、家事の一覧を見せた結果
tend Editorial Team