「向かいの人に、また怒られた」我が家への文句を子供に言う住人。だが、住人の待っていた自業自得の結末とは
うつむいて帰ってきた子
その日、学校から帰ってきた我が子は、玄関で靴も脱がずにうつむいていた。
「どうしたの。なにかあった?」
「向かいの人に、また怒られた……パパとママに言っといてって」
向かいの家の女性は、昔から些細なことでもすぐ口を出してくる人だった。子ども同士が同じ年頃で、よく一緒に遊んでいた。けれど彼女は、その子たちに家庭の事情を探るような質問を繰り返していたのだ。
「お父さん、夜は何時に帰るの?」
「ちゃんとごはん作ってもらってる?」
そして大人がいない時間を狙っては、わざわざ家まで来て、子どもにクレームをぶつけていた。車の停め方、自転車の置き場所。本来なら親に言うべきことを、答えられるはずもない子どもに。それが、一度や二度ではなかった。
父が押したインターホン
うつむいた我が子の話を聞いて、夫が立ち上がった。子どもにばかり矛先を向ける相手に、はっきり言うつもりらしかった。
夫はそのまま向かいの家のインターホンを押した。出てきた彼女に、静かに、けれどはっきりと告げた。
「子どもを捕まえて文句を言うのは、やめてもらえますか。用があるなら私に言ってください」
彼女は目を泳がせ、その場では何も言い返せなかった。これで分かってくれただろう。そう思っていた。
けれど数日後から、近所の様子がおかしくなった。彼女が一軒ずつ家を回り、うちの悪口を言いふらしていたのだ。
「あの家の旦那さん、怒鳴り込んできて本当に怖かったの」
夫は冷静に話しただけだ。事実とはまるで違う。
けれど、彼女の口は止まらなかった。やがて、ある同級生のお母さんが、泣きながらうちを訪ねてきた。
「うちのことも、あちこちで悪く言われていたみたいで…どうしたらいいか分からなくて」
被害は、私たちだけではなかった。彼女は気に入らない相手を、片っ端から悪く言っていたのだ。
そこからは、彼女自身が掘った墓穴だった。同じ被害があちこちで語られるうち、彼女の話は矛盾だらけだと知れ渡っていった。
「あの人の言うことは信じないほうがいい」
近所の信用は、音もなく崩れていった。
気づけば、彼女の周りから人が離れていた。立ち話の輪に入れてもらえず、挨拶を返す人もまばらになった。子どもを脅し、嘘をばらまいた人が行き着いた先は、誰からも相手にされない静けさだった。
「もう、怖くないね」
夕飯の席で、我が子がぽつりと笑った。隣で夫が「だろ」と笑い返す。食卓には、ずっと忘れていた軽さが戻っていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














