「シフトずらしなさいよ」家族の集まりの時に、妻の仕事を軽んじる義母。だが、夫の優しさが私を救ってくれた
免除される義兄、ずらされる私
義実家の集まりは、いつも土日に決まる。
夫も義兄も平日勤務だから、休みが重なる週末しかない、という理屈だ。
けれど私は、フルタイムのシフト勤務。土日のどちらかは必ず出勤で、両方入る週も珍しくない。
その私の勤務を、義母は「融通のきくもの」と思っているふしがあった。
あるとき、義母が集まりの日を決めようと電話をしてきた。
私の出勤日だと伝えると、義母は義兄についてこう言った。
「シフトずらしなさいよ」
義兄は残業の多い職場で、よく休日出勤をしている。
その義兄には「仕事なら仕方ない」と免除を出す。なのに私には、シフトをずらして出てこいと言う。
同じ働く人間なのに、線の引き方があまりに違った。
思えば、こうしたやりとりは毎回だった。大安だ、友引だと縁起のいい日を義母が選び、そこに私の出勤が重なると、決まって「嫁がずらせばいいでしょう」で片づけられる。私の勤務先にも人手の都合があることは、義母の頭にはまるでないようだった。
夫が正した「同じ仕事」
電話をそばで聞いていた夫が、受話器を代わった。
「働いてるのは妻も同じだろ」
義母が言葉に詰まる。夫は落ち着いた声で続けた。「義兄の休日出勤を仕事だと認めるなら、妻の勤務日も同じ仕事だよ。片方は免除で、片方はずらして来い。それはおかしいと思わない?」
「でも、あなたたちは近いんだし……」義母の声が小さくなる。
「近い遠いじゃないんだ。妻の仕事を軽く見ないでほしい」
いつも穏やかな夫の、はっきりした口調だった。義母はしばらく黙り込み、やがて「……そうね、言いすぎたわ」と絞り出すように言った。
選べるようになった集まり
それだけではなかった。夫は電話を切ったあと、私に向き直った。
「それに君、大勢での集まりが苦手だろ。無理して合わせなくていい。しんどい日は、俺と娘で行ってくるから」
何度も口にしてきた「大人数が苦手」という気持ちを、夫はちゃんと受け止めてくれていた。
数合わせのために呼ばれて、疲れ果てて帰る。あの繰り返しから、やっと解放される気がした。
次の集まりから、日程はみんなの勤務を並べてから決まるようになった。義母が「嫁がずらせば」と言うことも、義兄だけを免除することもなくなった。
私は相変わらず、にぎやかな席は得意ではない。それでも、出るか出ないかを自分で決められる。ただそれだけのことで、義実家との距離が、ちょうどよく感じられるようになった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














