「まだ1週間あるでしょ」引越しの準備をしない夫。だが、妻の秘策で夫が重い腰をあげた瞬間
「まだ1週間あるでしょ」の一点張り
引っ越しの荷造りは、いつも私ばかりが進めていました。夫は穏やかで頼めば嫌な顔はしないのに、片付けとなると途端に腰が重い人だったのです。
積み上がった不用品を前に立ち尽くす私に、夫はテレビを見ながら軽く言いました。
「まだ1週間あるでしょ」
「そんなの、前日にまとめてやれば終わるって」
けれど我が家の荷物は、前日の一夜漬けで片づく量ではありません。私は不安で仕方ないのに、夫はどこ吹く風。その温度差に、ため息ばかりが増えていきました。
カレンダーに並んだ赤い締切
言葉で急かしても動かないなら、期限を目に見える形にするしかない。そう考えた私は、壁掛けのカレンダーを引っ越し用に作り変えました。
当日から逆算して、一日ごとに終わらせるべき作業を書き込みます。「水曜までに本棚」「木曜は台所」と、夫の担当分にはわざと赤いペンで印をつけました。
「一日ごとの締切、カレンダーに書いた」
そう伝えると、夫はカレンダーを覗き込んで、少し笑いました。
「大げさだなあ。こんなの書かなくても……」
ところが翌日、赤い印の日付が今日だと気づいたとたん、その顔から余裕が消えたのです。
「俺の本棚の日じゃん」
今日さぼれば、明日の自分の作業がまるまる二日分にふくれあがる。それがひと目で分かる仕組みに、夫はもう言い訳ができませんでした。渋々といった様子で、それでも本棚から本を抜き、段ボールに詰め始めます。
面白いもので、一日分の印を消すたびに夫の動きは軽くなっていきました。「明日のぶん、先にやっとくわ」と、自分から前倒しで進めるようにまでなったのです。
おかげで引っ越し当日、我が家の荷物はすべて時間通りにトラックへ運び込まれました。がらんとした部屋で、夫が照れくさそうに言います。
「次からは、書かれる前に動くよ」
その一言に、思わず吹き出してしまいました。急かす言葉より、たった一枚のカレンダーのほうが、よほど雄弁だったようです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














