義母「奥さん、家事慣れてないのね」→夫「その言い方はやめて」結婚1年目、嫁だけ無視した姑が黙った夜
名前を呼ばれなかった食卓
結婚一年目、夫の実家に初めて泊まった日の夕食のことだ。義母は台所に立つ私を「座ってて」と押しとどめ、支度はすべて自分でこなしてしまった。
食卓に並んだ料理は、どれも美味しそうだった。けれど、私の箸はなかなか進まなかった。
「これ好きでしょう、たくさんおあがり」
義母は夫の名を呼びながら、次から次へと夫の皿に料理を盛っていく。焼き魚も、煮物も、山盛りだ。
その間、私の皿は空のまま。声をかけられることは、一度もなかった。
「……いただきます」
自分の分を小さく取り分けながら、私はただ、その場をやり過ごすことしか考えられなかった。
せっかく用意してくれた料理なのに、味がよく分からなかった。歓迎されていないのだと、はっきり感じてしまったからだ。
背中に刺さった一言
いたたまれなさが頂点に達したのは、片付けのときだった。皿を運ぶ私の背中に、義母の声が飛んできた。
「奥さん、家事慣れてないのね」
続けて、義母は夫にささやくように言った。
「あなた、大丈夫なの?こんなことで先が思いやられるわ」
夫は曖昧に苦笑いを返しただけだった。その横顔を見て、私の胸はすっと冷えた。何も言えないまま、その夜は布団の中で声を殺した。
夫が笑ってごまかすほど、私は一人ぼっちになっていく気がした。味方だと思っていた人が、あの場では何もしてくれなかった。
帰りの車で、私はとうとうこらえきれなくなった。
「私、あんなに歓迎されてなかったんだね」
ぽつりとこぼした声に、夫ははっとした顔をした。
夫が母に告げたこと
「ごめん。俺、その場で流しちゃって……本当に悪かった」
夫はそう言って、後日きちんと義母に向き合ってくれた。私が席にいる前で、義母にこう切り出したのだ。
「その言い方はやめて」
義母は驚いた顔で、息子を見た。
「彼女は緊張しながら、精一杯手伝おうとしてたんだ。それをあんなふうに言われたら、誰だってつらいよ」
義母は何か言い返そうと口を開きかけて、そのまま黙り込んだ。ばつが悪そうに目をそらし、しばらくして、小さくうなずいた。
「……そうね。悪かったわ」
いつも強気な義母から出た、思いがけない一言だった。
あの日以来、私は義実家との付き合いを、最低限のものに切り替えた。無理に好かれようと気を張るのは、もうやめたのだ。
完全にわだかまりが消えたわけではない。それでも、夫が私の側に立ってくれたと分かっただけで、心はずっと軽くなった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














